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機材の話になるといろんな種類の 『レベル』 が出てきます。あまり明確ではない上にいろんなパターンがあって説明しにくいなって思っていたのですが、質問される事も多いのでまとめてみる事にしました。地味なテーマですが重要な事が多いのでぜひ参考にしていただければと思います。

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音響機器の話の中で『レベル』 といえばシグナルレベル、信号の大きさ、つまり音量の事を指します。

マイクレベルラインレベルインストレベル(インストゥルメント レベル)これらはそのおおよその範囲を分けた指標で、明確に線引きされているようで実はかなり曖昧です。そもそも音声信号は一定ではなく音量レベルは常に変化します。それにマイクなら収音する楽器の違い、ダイナミック/コンデンサなどの方式による違い、距離や角度といったマイキングによる違い、演奏の強弱による違い、といった要素により得られるレベルは当然違います。ラインレベルも民生機レベル/業務機用レベルと線引きはあるものの基準レベルが何パターンかあったり、基準レベルが同じでも最大レベルの扱いが違っていたり、留意すべき事もあります。インストレベルも振り幅が大きく、楽器の種類、PUの方式による違い、ピッキングの強弱や楽器のボリュームが全開なのか絞っているのかでも違います。さらに楽器の場合は“インピーダンス”も得られるレベルに大きく関わってきますので注意が必要です。

まあ、それでもだいたいの目安としては、

マイクレベル:−60dBu 〜 −20dBu
ラインレベル:−20dBu 〜 +24dBu
インストレベル:−30dBu 〜 +10dBu

こんな感じと思っていただいて良いと思います。様々な条件を含みますので範囲はかなり広く、ざっくりしたものです。

さらに深く掘ってみたいと思いますが、以下で表記するシグナルレベルについて一つお断りを。シグナルレベルは一定ではありません、演奏内容によっては常に変化します。同じ1音でも発音直後とサスティン~ディケイでは当然音量が違います、シグナルレベルは刻一刻と変化するもの。音が出ていなければシグナルレベルは −∞dBuです。マイクレベルでもラインレベルでも音がなければ −∞dBuまで小さくなると言う事。マイクレベル/ラインレベル/インストレベルこれらのレベル表す場合は適度に音が出ている状態の平均的なレベルについてを考えます。

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マイクレベル

マイクレベルといっても、マイクの種類により大きな違いがみられます。SM57などのムービングコイル型ダイナミックマイクロホンでは一般的に−60 ~ −40dBu程度です。マイクプリアンプでちょうど良くメーターを振らすのにGAINを +40~+60dB あたりで使いますよね?!そのマイクの出力レベルはこの時のGAIN値にマイナスを付ければだいたい一致します。

ダイナミックマイクの中でも動作原理が違うリボン型のマイクはさらに出力レベルが低いことも。場合によってはマイクプリアンプのゲインが足りなかったりと、マイクプリアンプにも +70dB とか +80dB 増幅できる性能が求められます。しかし、最近のリボンマイクは内蔵トランスでゲインアップして出力したり、アクティブ回路を内蔵し出力レベルを稼いでいる機種も多く、扱いやすくなっている機種も多いです。

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コンデンサ型のマイクロホンは、ダイヤフラムから取り出せる電気信号も比較的大きく、マイク本体に内蔵されたインピーダンス変換用の電子回路によって出力信号も安定し、出力レベルは −40 ~ −20dBu 程度とダイナミック型と比べると 10倍から100倍も大きな値となります。出力レベルが大きければ伝送による音質劣化も少無いので、コンデンサマイクの音質がクリアだと評価されるのには出力レベルの違いなんかも影響していると言っても良さそうです。

出力レベルが特長的なマイクと言えばCHANDLER LIMITED REDD Microphone を挙げなければなりません。マイク本体内にマイクプリアンプ回路を持っていて、マイクシグナルを増幅しラインレベルで出力するという画期的なアイデアを実現した真空管式コンデンサマイクロホンです。音質面でのメリットがとても大きくREDD Microphone がとても高い評価を得ている理由の一つです。

通常のマイクであれば出力レベルは小さく、ブース内のマイクからコントロルルームのマイクプリアンプまでの数m~十数mをその小さいレベルで引き回す事になりますが、その過程でノイズ源が近くにあれば誘導してしまいますし、マイクロフォニックノイズもシグナルと一緒にマイクプリアンプで増幅され音は汚されます。また、シールド構造のマイクケーブルは線間容量によりハイパスフィルターを形成し周波数特性を狭め、長尺になるほど顕著に現れます。これらの音質劣化はケーブルを引き回してから増幅することが原因。ならばと、増幅して信号を強化してから引き回す、これにより音質劣化から回避するシステムを実現したREDD Microphoneのサウンドはある意味異質。真空管マイクプリアンプも相まって太くリッチな音像ではあるのですが、特にクリアで高解像度な部分は増幅してから引き回すREDD Microphone独自設計に由来するものと分析できます。長尺ケーブル区間を微弱なマイクレベルで引き回すのか、増幅され強く安定したラインレベルで引き回すのか、音質向上のアイデアとして “レベル” をうまく利用し形にしたREDD Microphoneは、音の鮮度が他のマイクと全然違うのが分かります、実体感が強くぞくぞくする音!お貸出し用のデモ機もありますのでぜひ体感してみてください。

CHANDLER LIMITED社のREDD MICROPHONE

これまで、これまで当然のように音響機器で扱う バランス伝送のマイク信号に関して説明してきましたが、家庭用のカラオケ装置のマイク入力はフォンコネクターを用いた アンバランス入力です。音質より回路コストや扱い易さを優先したアンバランス伝送です。フォンコネクターでは48Vのファンタム電源は使用できませんのでダイナミック型のみとなります。レベルに関しては−60 ~ −40dBu程度とバランス伝送のそれと同じです。他にICレコーダーなどで使われるエレクトレットコンデンサマイクはプラグインパワー方式。小さな筐体に搭載するために3.5mmフォンコネクターを使用し、アンバランス伝送です。出力レベルは業務機のコンデンサマイクと同様に −40 ~ −20dBu です。

 

ラインレベル

ラインレベルも場面によってそのレベルの範囲が異なります。まずは業務機・プロオーディオ機器におけるラインレベル。信号の形態はバランス伝送、コネクターはXLRもしくはTRSフォンが用いられます。その上で基準レベルなるものが定義されおり、その値は +4dBu。なんで +4dBu が基準なのか、十分なS/Nが確保でき、クリップするレベルまで余裕がある。ちょうど良いレベル、ここではざっくりそんな認識でOKです。

マイクプリアンプはマイクレベルの信号をラインレベルまで増幅するための機器です。マイクレベルは −60dBu 〜 −20dBu 、ラインレベルは +4dBu 必要なゲインは +64dB ~ +24dB 。+64dB は1600倍 ものハイゲイン。増幅度がどれくらいかというと、6インチのスマホの画面を1600倍すると9600インチとなりますが、なんと新国立競技場のサッカーコートの 4面分の広さに匹敵!スマホをサッカーコート4面分まで拡大する大仕事!誤差(歪)やゴミ(ノイズ)も最小にこれほどの増幅を行うマイクプリアンプの役割りがいかに重要かもあらためて理解できます。

GRACE designのマイクプリアンプ m101。

そして、基準レベルとともに重要なのが最大レベル最大入出力レベル というその機器が扱えるシグナルの最大値これについても頭に入れておく必要があります。最大入出力レベルはプロオーディオ機器では +24dBu が一般的ですが、オーディオインターフェイスの類ではそこまで大きく設計されていない事もあり +18dBu や +15dBu、+12dBuなんて機種も存在します。ここをきちんと考えに入れておかないとシステムを構築する上で問題が起こります。

例えば、最大出力レベル +24dBuのマイクプリアンプの出力、メーターを見て良い感じにゲインを合わせる、クリップまでは余裕を持たせたゲイン設定。これを最大入力レベル +14dBu のオーディオインターフェイスに送ったとすると、扱えるレベルを超えてしまうのでオーディオインターフェイスの入力段でクリップしてしまう不都合が起こります。これを避けるには、せっかく適正まで稼いだゲインを下げなければなりません。PADを挟んで接続するか、マイクプリアンプの出力レベルを下げる必要が出てきます。マイクプリアンプのメーターが出力ボリューム以降のレベルを監視しているタイプなら、メーターでちょうど良くても信号はクリップ。これだとメーターは役に立ちませんでの、マイクプリアンプの設定を行う際もオーディオインターフェイス/DAW上のメーターで確認しながら行う必要があります。ラインレベルとラインレベルのやり取りでも最大レベルに差がある場合は注意が必要。10dBも違うと音質面でも使い勝手の面でもストレスです。最大入出力レベルは基準レベル以上に重要です。

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もう一つ勘違いからのよくあるトラブルの例を紹介。オーディオインターフェイスにプラスしてアウトボードのマイクプリアンプを導入したがうまく行かないケース。『レベルをあまり上げていなくても音が歪んでしまう。歪まないように調整するとレベルが小さく、オーディオインターフェイスのゲインを上げるとノイズが酷い。』 という事例。詳しくお伺いすると、マイクプリアンプのXLR出力からオーディオインターフェイスのXLR入力に接続しているとの事。オーディオインターフェイスの入力端子はXLRとTRSフォンのコンボコネクターで取説で仕様を確認するとXLRはマイク入力でTRSフォン部分がライン入力である事が分かりました。マイクプリアンプでラインレベルまで増幅した信号をマイク入力につないでいたのです。クリップさせまいとマイクプリアンプの出力レベルを小さく使うと、オーディオインターフェイスのレベルメーターが適切に振れませんので、それを補おうとオーディオインターフェイスでゲインを上げる。するとレベルは上がるものの、中途半端にゲインアップしたマイクプリアンプのノイズ成分も含んだ信号をオーディオインターフェイスインターフェイスでも大きく増幅する事になり、ノイズが多い酷い音質が出来上がる事になる。お知らせいただいた現象と一致します。

アウトボードがXLR出力ならオーディオインターフェイスもXLR入力につなぎたくなるところですが、それが間違いでした。XLR端子だから +4dBu 基準みたいな勘違い、やってしまいがちです。この機器の場合、XLR端子はマイク入力であり、最大入力レベルは +2dBu 。アウトボードのマイクプリアンプは+24dBu出力可能なので 22dBものレベルのミスマッチングが起こっています。最適な条件で使うためにはXLR(F)からTRSフォンに変換するケーブルを使いコンボジャックのTRSフォン端子に接続します。TRS端子のライン入力は+22dBuまで入力可能との事なので 2dBの差に注意が必要なものの最適なレベルでの受け渡しが可能になり、この事例は解決しました。

基準レベルと最大レベルの差をヘッドルームと呼び、単位は dB です。基準レベルが +4dBu で 最大レベルが +24dBuならヘッドルームは 20dBです。最大が +18dBuなら ヘッドルームは 14dB 、最大が12dBuならヘッドルームは 8dBしかない。逆に基準レベルを +6dBu とか、+8dBuなどとするパターンもあります。基準レベルを +8dBuとする場合、最大レベルが +24dBuならヘッドルームは 16dB、最大が +22dBuならヘッドルームは14dBとなります。ヘッドルームを狭く設けると、フェーダー位置やエフェクトの処理なども変わり全体的に音量が底上げされた状態となり、平均的な音量が最大レベルに近づくので、その作品の仕上がりは音圧が高まる傾向になります。それは作品全体の音量差を少なくする事でもあり、やりすぎると抑揚が無くなるという事なのでそこは注意です。どういう作品にしたいか、どういう質感に仕上げたいかなど考え採用してください。可能なら2パターン試してみると違いが出るはずです。

 

 

ADコンバーター/DAコンバーター機能を備える機器では、 デジタルヘッドルーム という数字もしっかりチェックしてください。デジタルヘッドルームとは、アナログ信号の基準レベルと最大レベル、そしてデジタル領域での基準レベルと最大レベル、これらをどう結びつけるかという2つのレベル換算基準となる大切なものです。

アナログ領域での信号の扱いは基準レベルと最大レベルがあるとご理解いただけたと思います。デジタル領域でも相当する考え方があり、最大レベルはデジタルフルスケールレベルと呼び、単位はdBFS、最大となる値は 0dBFS です。そして、デジタルヘッドルームを設定することでデジタルスケールの中での基準レベルが決まります。

多くの場合は『アナログの最大レベル = デジタルの最大レベル』となりますので、アナログの最大レベルが +24dBu ならば、これが 0dBFS となります。そしてデジタルヘッドルームを 20dB とすると デジタルの基準レベルは −20dBFS と決まります。デジタルヘッドルームは、20dBだったり、18dBだったり、16dBだったり自由に定義して良いものです。デジタルヘッドルームを狭く設定すれば基準となるレベルが大きく扱え、デジタルヘッドルームを広くとればクリップまでの余裕が大きくなります。プロジェクトや作品によって最適な設定で作業することが可能です。

デジタルヘッドルームを活かすためにはアナログ回路の最大レベルが重要です。特にDA変換の際はアナログの最大レベルの違いが問題になるケースもあります。アナログの最大レベルが +24dBu の機器なら 0dBFSのシグナルは +24dBu で出力されます。アナログの最大レベルが +14dBu の機器だと 0dBFSのシグナルは +14dBu で出力されます。デジタル領域で同じ音量であってもDAすると 10dBも音量が違ってしまうのです。DA変換する機器が変わるとアナログ出力レベルがせんぜん違うということが起こり得ますのでシステムを構築する上では十分な注意が必要です。

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ラインレベルは、これまで説明してきたように業務機・プロオーディオ機器におけるラインレベルの他に、民生器レベルと呼ばれる機器におけるラインレベルもあります。多くは、RCAや2極のフォンでの接続のアンバランス伝送で、基準レベルが −20dBu だったり、−10dBu だったり、その辺であることが多いです。基準レベルも最大入出力レベルも含めスペックとして書かれていないことも多く『適正な範囲でご使用ください』的な、民生機におけるラインレベルの定義はあって・ない ようなものであると言えるでしょう。さらに一部の民生機ではXLRコネクターを用いたバランス伝送を行う機種も存在します。この場合のレベルは業務機にならい +4dBu 基準を採用する機器もあれば、基準レベルは無視して ただただバランス伝送にしているって感じの物もあり、場合によってはアンバランス伝送の可能性すらあると思います。これらはメーカーごと独自の考えで決められていますので購入前には必ず確認が必要です。機器がDAコンバーターなら、 0dBFS = xxdBu 問題ももちろん気をつけなければなりません。

 

インストレベル

楽器、主にエレキギターエレキベースといった電気楽器、PUを搭載したエレアコなども含み、さらにはキーボードシンセサイザーといった電子楽器は、概ね −30dBu 〜 +10dBu という認識で良いでしょう。ただしこれらの場合、特に電気楽器の類はレベルを考えるにあたってインピーダンスが極めて重要です。

電気楽器の出力インピーダンスは高いので楽器の出力をはじめにつなぐ機器の入力インピーダンス、これが十分に高くなければなりません。接続するのはHi-Z入力端子など入力インピーダンスは十分に高くある必要があります。入力インピーダンスが十分に高いという条件があって、この程度のレベルが得られています。ラインインプット端子の入力インピーダンスは数十kΩ程度で、楽器からしたら十分なハイインピーダンスではありません。シグナルのレベルの低下、周波数特性の乱れとなって現れます。よく、アクティブタイプのPUがローインピーダンスと言われる事が多いですが、確かにパッシブタイプのPUと比較するとローインピーダンスですが、数十kΩ程度のライン入力端子に接続するとなるとまだまだ十分なローインピーダンスではありません。パッシブPUほど顕著でないにしても音質劣化の要因になり得ます。アクティブPUもHi-z入力端子に接続することをお薦めします。

エレアコで使われるピエゾPUは更にハイインピーダンス、それを受ける機器の入力インピーダンスは超ハイインピーダンスである必要があります。そのためアクティブプリアンプ回路と組み合わせ使用する事が多いです。接続はアクティブPUと同様Hi-z入力端子がベターです。

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キーボードやシンセサイザーといった電子楽器は、いろんなメーカーのマニュアルを参照しましたがスペック欄にレベルに関しての表記が一切ありません。まあ、エレキギターなんかもそんなこと書いてないですが。これはおそらく、実用上重要ではないから書かなくていいというメーカーの判断でしょうか。ボリュームコントロールがついているし、小さければ上げる/大きすぎれば下げる、それだけです。奏法としてもボリューム操作は積極的に行いますし、『小さくしたければ下げる/大きくしたければ上げる 演奏者がどうしたいかで決めれば良いのです』 と諭されている感じもします。そう考えると確かに不要な情報なのかもしれません。と、全くと言って良いくらいキーボード/シンセサイザーの製品ページにはレベルに関する情報はありませんでした。

ならばと、キーボードの音を出すとき何につなぐのか考えました。ミキサーやキーボード用のアンプです。キーボードアンプの方から情報を得ようと確認したところ、キーボードアンプの仕様欄にはしっかりと記載がありました。その値『 −20dBu 』だそうです!すっきりしました。キーボードも作っているメーカーのキーボードアンプですので設計にあたっては両者のレベルを揃えているに違いない。よって、キーボードの規定出力レベルも −20dBu にちがいありません。念のためですが “少なくともこのメーカーの” と付け加えておきましょう。

ただ、ステージピアノの類では XLRバランス出力を備える機種もあり、一部メーカーのマニュアルには 「規定出力レベルは+4dBuです」と明記されていました。ステージピアノだけあってPAミキサーに接続する事を想定しているでしょうからラインレベルの +4dBu基準 は当然でしょう。これは業務機・プロオーディオ機器のラインレベルに相当します。マニュアルに表記がない機種も問い合わせてみたところ「ライン入力があるミキサーならライン入力に接続してください。」と回答をいただきました。

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レベルの話のついでに、DIについても知っておいていただきたい事がありますのでご紹介します。インストレベルと、PA機器またはレコーディング機器の橋渡しを行うための機器である DI は、インピーダンスとレベルそして伝送形態のアンバランス/バランスの変換を行います。アンバランス信号をハイインピーダンス入力で受け、ローインピーダンスのバランス信号を出力する。これがDIの基本です。

そして、注意すべきは過去にまとめた
https://umbrella-company.jp/contents/direct-injection/
こちらの記事にもありますが、バランス出力のレベルが、マイクレベルラインレベル の2パターン存在すると言う事です。

DI、リバースDI、レベルコンバーターを1台に集約したSignalform Organizer。

もともとDIは『楽器を、ミキサーのマイク入力にダイレクトに接続したい』という要望から開発されたもの、インストレベルとマイクレベルの橋渡しを行う機器ですのでDIの出力は マイクレベル −60dBu 〜 −20dBu で設計されています。ただし、あまりにも小さくしすぎるのは音質のデメリットもありますので −30dBu 〜 −20dBu 程度で設計されることが多いです。

それを発展させた形で、どうせ電子回路で回路を設計するならと、ラインレベルまで増幅し出力するDI機器も登場します。ミキサー側で大きなゲインアップがあるとミキサーのマイクアンプのカラーが乗ってきますのでせっかくのDI機器のサウンドも半減しかねない。DI機器がラインレベル出力ならミキサーで増幅しなくて済みますので、DI機器の音色を活かせます。伝送レベルも大きいため、より高品位な伝送が可能です。ラインレベル出力はDI単体機能の機器では少数派ですが、多機能・高音質をうたったモデルではラインレベル出力の搭載は多く見かけます。

DI機能を有するマイクプリアンプも出力はラインレベル。ラインレベル出力のDIとも言えますが、この場合はマイクレベル出力のDI 回路 + マイクプリアンプ と解釈するのが正解かもしれません。

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いい流れですので、DI + マイクプリアンプ の新たな形 DI-Snakeを紹介させてください。DI-Snakeは、フォンプラグ / ケーブル / XLR(M)プラグからなるケーブル状のDI機器です。

見た目はケーブルですがフォンプラグの内部にバッファー回路を仕込んであり、ファンタム電源を供給し動作させます。このバッファー回路により楽器とマイク入力の間のインピーダンス変換とレベルマッチングを行いマイクプリアンプにDI機能を追加します。DI機能を有するマイクプリアンプには不要ではないか?という疑問があると思いますが、インピーダンス変換を行う位置に大きな違いがあり、これがDI-Snakeのサウンドの決め手となっているのです。通常のDIではシールドケーブルを使って楽器とDI入力端子を接続します。信号はDI機器に入って、そこでインピーダンス変換が行われる訳で、シールドを通過する信号は外的な影響を受けやすいハイインピーダンスの区間です。DI-Snakeはフォンプラグの内部にバッファー回路がありますのでインピーダンス変換をしてからケーブル通過しマイクプリアンプに送られます。 夏の暑い日、みなさんガリガリ君を食べたくなると思います。お店でガリガリ君を買い、炎天下を歩いて帰ると家についた時には少し溶けていますよね。夏だし少しくらい溶けるのは当然だと諦めてはいけません。保冷剤をたっぷり入れたクーラーボックスを持っていきお店に行きガリガリ君を買ったらそれに入れる、少し回り道して帰ったとしても冷え冷えカチカチのガリガリ君を食べることができます。DI-Snakeはそれに似ていると思います、影響を受けやすいハイインピーダンス信号をバッファー回路が楽器の出力端子まで迎えにいくと外的影響に強い状態で伝送できる。これにより音の劣化を防ぎます。バッファー回路回路までの間にシールドケーブルがない、今までにそんなサウンドを聞いたことがないと思いますので驚いていただけると思います。お手持ちのマイクプリアンプに新しいDIサウンドを追加します。もともとのDI入力もそのまま使えますので、DIのバリエーションとしてぜひお試しを。

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いかがでしたでしょうか?何となくみたいな考えのレベルもあり、きっちり守らなければトラブルにつながるレベルもあり、インピーダンスなどの重要な条件もあることも分かりました。正しいレベルを意識してシステムを見直してみると追加費用もかからず簡単に音質をアップできる事もあり、何万円もする高級ケーブルを使うよりずっと効果があった!なんてこともあり得ます。最適なレベル設定で最高のシステム構築にお役立ていただければと思います。

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文:株式会社アンブレラカンパニー
https://umbrella-company.jp/

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