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Guitar ギター&エフェクター

エフェクター批評 vol.5 MANLAY SOUND 【PRO BOOST】 を試奏レポート

今回の感想文は by やまもと

伝説のColorsound Power Boost (Overdriver)をハンドメイドで復刻。1972年のJeff Beckサウンド。単純なブースターとしても素晴らしいのですが、オーバードライブペダルとしてパーフェクトで個性的な歪みサウンドを聞かせてくれます。 ボリューム追従性が驚くほどよく、歪みやブースト感を面白いほど操れるところが凄いです。上手い人にほど使いこなしてほしいプロフェッショナルなドライブ ペダルです。

18Vでも駆動が可能なクラシックロック・サウンド!

1970年代のクラシックロックを良く伝えてくれる最高のドライブペダル。当時、T-RexやD.ギルモア、ジェフ・ベックなど個性派のミュージシャンがこぞって使用した銘機 Color Sound Overdriver(Power Boost)のリイシューです。

まず特徴的なのは18V駆動(9V電池×2、またはACアダプター)が可能なオリジ ナル仕様である点。実は本機は9Vでも駆動し、そのサウンドもまた素晴らしいのですが(18V駆動時よりヘッドルームが下がるため歪やすくなります)、 18V駆動時のトップまで突き抜けたような胸元を掴むようなサウンドは最高です。

またPRO BOOSTはブースターと名づけられてはいますが、オーバードライブ同様に歪みます。トップパネルのVolumeを上げていき、サイドにあるMaster Volumeで最終のボリュームを調整します。Volumeは最小でクリーンブースト、真ん中でクランチ、最大付近ではファズ並みに歪みます。

歪ですが、一言でいって「滑らかで素晴らしいサウンド」です!こういう歪の質感はあまり他では味わえないもので、独特の抜けのよい倍音成分が強烈です。「往年のロックギターサウンド」といえばありふれた言い方ですが、本当に言い当てています。

この動画のJeff Beckの1972年の演奏ではColorsound Power Boost (Overdriver)が使用されていますが、このサウンドはとても私が今書きたいことに近いサウンドが全般にでていると思います。

まずギターの手元ボリュームにとても反応が良いということ、かなり歪ませて設定したPRO BOOSTを手元ボリュームで自在に操る。Beckはそんなセッティングで演奏している思います。

 

歪ですが、トップエンドまでレンジ感のある抜けのよい歪です。ファズともオーバード ライブともディストーションともイメージが異なるのですが、個人的なイメージで表現するとディストーションの音圧感とオーバードライブの滑らかさを融合し たようなサウンド。とにかくクリーミーで滑らか、張りと抜けがあり、サスティンの心地よい至福のサウンドです。かっこいい歪とはこういう事!と素直に思わ せてくれるほどこの歪は気に入っています。

クランチからマッシブでワイルドな歪まで自在にコントロールができるので、この一台でギターサウンドにあらゆる表情をつけられると思います。

またVolumeを絞ったクリーンブースト~クランチブーストですが、これがまた最高です。サウンドに極上の艶を与えてくれるというか、サウンドに生命感が 宿ったような正にロックな質感です。ミドルの強さ、ローの響き、トップエンドの輝き、どこを切っても文句のつけようのないロックサウンド。特に高域だけを ブーストした場合や、ミッドを強めにブーストするなど、アンプやシステムに応じた色付けには最適です。サウンドをどの方向にもシフトすることのできる強力 なツールになります。

ギターの手元ボリュームに対する追従性が高いことも特筆すべき点です。弊社の試聴環境で使用したSadowskyのストラトでは、手元ボリューム10~6 くらいで変化させるとびっくりするくらいサウンドが変化します!例えば10でマックスに歪むくらいに設定した場合、9で既にかなりクランチになります。7 ではトレブルのきいたクリーントーンにまで早くも変化するので、面白いくらい手元ボリュームの微妙なさじ加減でサウンドが変化します。これは面白い!使い こなせば質感と歪み感自由自在で手元で操れます。

設計者のRomanは中後期のビートルズを引き合いに出していますが、個人的にはや はりT-REX マークボランの重厚なレスポールサウンドや、Jeff Beckの変化自在のサウンドを思い浮かべます。歪ませきったときの独特な倍音感が何か懐かしいサウンドで気になっていたのですが、思い出してCDを出してきて確認してみて、「これだぁ!」と絶句。T-Rexの「20th Century Boy」のイントロのEコードでした!実際にColor Sound Overdriver(Power Boost)がこの曲のレコーディングで使用されたのかは、僕は分からないのですが、マークボラン自身もユーザーだったとのことなので、たぶんそうなので はないか?と想像されます。

「ずばりロックサウンド」、「あの時代のかっこいいサウンド」を最も表現して体感できる「ロックペダル」の一台に認定したい、個人的にも大ヒットのブースト&ドライブペダルです。ただただかっこいいロックサウンドに惚れました。

 

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