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Old Blood Noise Endeavors “DARK STAR”をレビュー。感情を揺さぶる残響が、あなたの音楽に深淵を覗かせる。

アメリカ・オクラホマ州を拠点とし、鮮烈でオルタナティブなセンスを持つブティックエフェクターブランド、Old Blood Noise Endeavors(以下OBNE)。アーティストの感覚を刺激するエフェクターを作り続ける彼らは、自身の世界観をペダルのサウンドのみならず、デザイン、映像、グッズにおいても表現し続けています。先日はOBNEからリバーブペダル“SUNLIGHT”が発売され、その独自性と世界観が炸裂しているサウンドが大変話題となっています。

OBNEのエフェクターにおいて特筆すべきはサウンドの独自性はもちろん、コントロール幅の調整にあります。いわゆるアンビエント系のエフェクターは心地よい設定を見つけるのにかなり時間がかかることも多いかと思いますが、OBNEのアンビエント系エフェクターはどのようにコントロールを設定しても音楽的で、「このエフェクターはこのようなサウンドを作るのだ」という意思が伝わってきます。ユーザビリティと個性的なサウンドの共存は、OBNEを選ぶ一つの大きな要素になると思います。

今回はそんなOBNEから、”SUNLIGHT”に対をなすアンビエントなリバーブペダル、“DARK STAR”をレビューしていきます。まずはOBNE自身が作成したデモ動画を御覧いただき、無重力の孤独な暗闇にセイレーンの歌が響くような、”DARK STAR”の世界観を堪能していただければと思います。

広大な暗闇の中で一人、完全な静寂で在るはずの空間に、不意に響いてくるような音。筐体のアートワークは”SUNLIGHT”においても筆を執ったジョン・カーリングのもので、不気味なまでの魅力をもつこのペダルをより一層魅力的なものにしています。

“DARK STAR”は様々な体験のできるエフェクターですが、楽曲やソロの背後で鳴り、楽曲の雰囲気を作り出すという”DARK STAR”のコンセプトを存分に味わうために、クリーンでコードを鳴らした残響を“HOLD”スイッチで固定し、その上でファズサウンドのソロを弾くという使い方を筆者はおすすめします。一つのアンプでコード感を失わず幻想的な空気の中ソロを弾くという体験は、ルーパーなどでは間違いなく得られない唯一無二のものです。
デモ動画の演奏からも分かる通り様々な使い方ができるペダルで、ベースやシンセサイザーと組み合わせれば新しい世界を垣間見ることができるかもしれません。

それでは、”DARK STAR”の詳細を見ていきましょう。

“DARK STAR”の内部は“Pad Reverb”とも評される長く少し緩やかな立ち上がりのリバーブセクションと、リバーブのWetのみに機能する3つの個性的なモジュレーションセクションによって構成されています。
“REVERB”(一般的にはディケイ)のコントロール幅は平均的に長く設計されており、リードトーン、ひいては楽曲全体に深い雰囲気を加えようというコンセプトがひしひしと伝わってきます。

次にこのエフェクターの最大の個性である3つのモジュレーション、”PITCH” “DELAY” “CRUSH”をそれぞれ見ていきましょう。

[pitch]
“PITCH”モードでは独立した2つのピッチシフトがかかります。それぞれのピッチを独立して操作することができ、1オクターブ上、下に設定すればシマーリバーブのように、また2つのピッチを少しだけずらせばリバーブを揺らす事もできます。ピッチの変化が無段階なこともあり、グリグリとノブを回したくなる、創造性を刺激するようなモードです。

[delay]
“DELAY”モードではリバーブにディレイがかかります。この、リバーブの「後段に」ディレイがあるという点が肝要で、より複雑な質感や広がりを作り出しています。他のモードに比べて派手さはありませんが、素のリバーブ音の良さがにじみ出る、楽曲の空気感を下支えするようなモードです。

[crush]
“CRUSH”モードではビットクラッシュとピッチシフトがかかり、OBNEの世界観を堪能することができるモードです。ピッチとビット深度をコントロールすることでその質感を調整することができ、ほのかな影を感じるサウンドから荒々しい質感を生むサウンドまで生み出すことができます。”DARK STAR”にしかない独特の空気感をもつ、個人的にお気に入りのモードです。

そして”DARK STAR”は、”Pad Reverb”としてのサウンドを存分に活かすべく“HOLD”フットスイッチを備えています。上述しましたように、ギター一本で楽曲の世界観とコード感を維持しながらエモーショナルにソロを演奏する体験は、”DARK STAR”ならではのものではないでしょうか。”DARK STAR”は他にもEXP入力を備えていたり、内部トリムポッドにて出力レベルを調整できたりと、OBNEらしい創作意欲を制限しない設計思想が反映されています。EXPの操作を自動化できるOBNEの”EXPRESSION RAMPER”と組み合わせても面白いでしょう。

以上、”DARK STAR”の紹介でした。ナチュラルなリバーブではもちろんありません。ですが、背後にいるリバーブの表現力・創造性の世界に引きずり込んでくれるような魅力をこのペダルは持っています。
全国の販売店さんで、ぜひその深淵を体験してみてください。

ところで1974年、ジョン・カーペンターによるSF映画『ダーク・スター』が公開されました。新天地を目指して旅するダーク・スター号の船員は深い宇宙の闇の中、とある緊急事態に直面し、その結末は…。

広大な暗闇の中で一人、完全な静寂で在るはずの空間に、不意に響いてくるような音。

「セイレーン」に導かれ宇宙を当てなく漂流した彼のようにならぬよう、皆様もどうかお気をつけて。

★Old Blood Noise Endeavorsについてはこちら!
https://umbrella-company.jp/oldbloodnoise.html

★Dark Starについてはこちら!
https://umbrella-company.jp/oldbloodnoise-darkstar.html

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