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パッシブ・イコライザー
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イコライザー Equalizer つまりイコールにする物です。もともとは周波数特性を補正する目的でした。特定の帯域を上げ下げできるということでエフェクターとしての利用価値も持ち合わせているのです。






パッシブ・イコライザー

イコライザーの方式にはパラメトリックイコライザー(パライコ)、グラフィックイコライザー(グライコ)が挙げられます。

パライコは上げ下げしたい中心周波数を可変する事ができ、機種によっては帯域の幅「Q(クオリティファクター)」も可変できます。

グライコは細かくバンド分けされ、見た目(グラフィック)で直感的に操作できるイコライザーです。中心周波数を自由に動かす事はできませんが、バンドを多く設ける事でより細かくカバーできます。「Q」を調整できるものは殆どないと思いますが周辺のバンドも一緒に調節すれば同様の効果は得られます。



これとは違った分け方も可能ですね。アナログEQなのかデジタルEQなのか、アナログEQは電気・電子回路などのアナログ回路による物。デジタルEQはデジタル領域でEQ効果を付帯させる物、この中にはソフトウェアによるも物も含まれます。

また、アナログEQの場合はアクティブなのかパッシブなのか、アクティブEQはトランジスタやICといった増幅素子を用いてEQ効果を作り出す物。パッシブEQは電子的な増幅素子を使わない物です。今回はパッシブEQについてお話ししたかった訳ですがすっかり遠回りになってしました。

パッシブEQはアナログEQの中でも非常に少なく価格も少々お高いですが、ちゃんと理由があります。それは設計が難しい事と、特注パーツの割合が大きく部品代が高い事です。




パッシブEQはコイルとコンデンサによる共振やオーディオトランスの昇圧・降圧を利用してBoost/Cutを行います。そのためのコイルやトランスは特注、しれを各バンドに用意する、ステレオならさらに倍!部品のばらつきがあればそのまま誤差として現れますので部品レベルでトリミングや選別が行われ製品として使える個体は限られパーツのロスも大きいでしょう。各メーカーさんコストも時間も掛けていると思われますので高価な理由は納得できますね。


しかし高いだけではありません、パッシブEQならではの利点が隠れているのです。パッシブという事はBOOSTした場合、電源電圧で受ける制限がなくクリップによる歪は生じません。また、電子的な増幅素子でBOOSTすればその分ノイズも付加されますがトランスによる昇圧を利用すればノイズレスなBOOSTが可能で、これらは演算で処理するデジタルEQにも未だ不可能なパッシブEQだけのアドバンテージです。ソフトウェアの技術が進歩した現在、パッシブEQにそっくりな音色が再現できたとしてもここに挙げた動作原理から来る二つのポイントは絶対に真似できません。なのでEQこそアナログ!しかもパッシブEQ!これこそサウンドを作る上でアウトボードを使いたいと考えている方には是非お薦めしたいです。プラグインでは実現できないパッシブEQ、トラックダウンのトータルEQとしてや、マスタリング時にも活躍してくれると思います。



パッシブEQ参考機種

CHANDLER LIMITED Curve Bender Mastering EQ (TG12345)
2ch仕様 4バンドパッシブパラメトリックイコライザー + パッシブ LPF & HPF + アクティブゲインセクション


CHANDLER LIMITED TG Channel mk2 The Beatles Pre Amp + EQ
1ch仕様 TGマイクプリアンプ + PultecタイプパッシブEQ


CHANDLER LIMITED Germanium Tone Control
1ch仕様 ゲルマニウムゲインサーキット + パッシブEQ(ロー)+ 2バンドアクティブEQ(ミッド/ハイ)











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