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Micahel Grace

開発インタビュー
(Behind the Gear, Tape OPマガジンより)

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GRACE design 人気の秘密に迫る!

マイケル・グレースは1994年にブティック・プロオーディオ・カンパニーとしてコロラド州のBoulderでGRACE designをスタートさせた。彼のデザイナーとしての成功は彼の音楽を愛する姿勢からきている。彼は当時大ファンであったというGrateful Deadのライブコンサートを高音質に録音するためにマイクプリアンプを設計したのだという。急成長するGRACE designの人気の秘密に迫ります。



製品の特徴

あなたの機器設計の美学やデザインプロセスについて教えてください


キーワードは「音楽的」であるということです。全てのオーディオ製品において最終的なゴールと言うものは、「あなたがそれを聴くとき、音楽だけが聴こえているべき」ということです。私たちが心がけるべきは2つあります。「音楽的であること」と「信頼性のあること」です。この両方には同じくらい最大のフォーカスを当てています。いくら世界最高のサウンドを聴かせる機材であっても、セッションの間にミュージシャンを待たせてしまったり、どこか調子が悪いというのではまるで意味がありません。


私は多くのライブリモートレコーディングを体験し、信頼性に問題がある場合、それは耐え難いことだと学びました。音質が秀でているということに対するプライドを良い機材のオーナーとして持つと同時に、もしその機材のノブに触った瞬間に(機材に対する)「強い信頼感」が感じられるべきだと思います。本当には必要ないような装飾やおまけの機能は必要がありません。いかに素早く簡単に「音楽を創造する」というタスクに対して、目標を達成できることこそが重要なことであると考えています。




近年ではたくさんのマイクプリアンプが市場に出回っています。ビンテージのクローンから、新しいバリエーションをもった真空管機器、中国製の2万円のプリアンプまで・・・。開発者としてGRACE designのマイクプリアンプの価値はどこにあるとお考えでしょうか?


どんなオーディオ製品でも最終的には「どんなサウンドがするのか?」ということが重要です。私はディスクリートやクラスAといった単一のデザインの基準というのはまだ達成されたものではないと思っています。全体的なアプローチとしては一定の基準を達成しているのでしょうが、あらゆる側面からシグナルパスを見つめてみると、パッシブコンポ-ネンツからパワーサプライのレイアウト、グラウンドの設計、アンプ設計など気づくべき部分がたくさんあります。


GRACE designの全てのアンプ設計は「カレント・フィードバック」方式の緻密なゲイン設計が成されています。一般的な「ボルテージドメイン」のアンプ設計に比較して、「カレント・フィードバック」のアンプは大変複雑な波形でもそれをただしくトラッキングすることが可能です。豊かな倍音構造の再現や、OPアンプ設計などで問題となるスルーレート・リミッティングの影響がない電流のトラッキングが実現されます。


ICを使ったデザイン、スタンダードなOPアンプによる設計では様々な問題が避けられないと思います。それはソリッドステート回路の固有のキャラクターにもなっています。私たちのマイクアンプ設計で採用されている「カレント・フィードバック」のアンプでは、再現性の高い、とても音楽的な、誇張のない、正確な描写力を、(一般的なソリッドステート機材の特有のキャラクターではないサウンドで!)実現しているのです。


私たちはテスト段階であらゆるタイプのマイクプリアンプを比較対象にしてリスニングテストを行います。毎回テストのたびに驚くことは、私たちのマイクアンプのサウンドが、ソリッドステート式のアンプよりも、ひじょうに高いクオリティーの真空管プリアンプのサウンドに近いということです。


その他にも数え切れないほどの回路的な判断と工夫があります。その全部が製品の研ぎ澄まされた品質とキャラクターに同じように影響を及ぼします。そのような理由から、私たちは極限に精密な金属フィルム抵抗を使用し、電解コンデンサーを信号のパスに一切使用しません。極限まで信号パスのコンポーネントを減らしダイレクトカプリングしています。これらは全て音職人としての「耳」を使って追い込まれた結果です。測定器だけで設計された機材とは決定的にこの部分が異なります。私たちは「耳」で聴いて全てを追い込んでいきます。



あなたが最初にデザインした機器はどんなものだったのでしょうか?

デザイナーとしては常に他のデザインからの影響が大きいものです。私の初期のデザインはハイパフォーマンスなフォノ・プリアンプでした。当初私はコロラドのハイエンド・オーディオメーカー(ハイエンドオーディオの超有名メーカーJEFF ROWLAND DESIGN)で働いていました。この会社はかなり真剣にシグナルパスからコンデンサを取り除き、ゼロ・ネガティブ・フィードバックのカレントフィードバック回路に取り組んでいました。


その頃私はみなが認める「Deadhead」でした(*ロックバンドのグレイトフルデットのファンという意味。世界一有名なジャムバンドでもあるグレイトフルデットは、コンサート会場にコンサートを録音できる場所を設け、コンサートの録音や録音メディアの交換を許可していたことでも有名)。私は会社からフォノアンプを借りてきてマイクアンプに改造しました。それを当時のSONY PCM-F1デジタルプロセッサーと一緒に担いでコンサートを録音していたというわけです。そのまま1990年頃には、夜な夜な特注依頼されたカスタムマイクプリアンプを製作する事に忙しくなってきたのです。仕事を止めて、マイクアンプの製造に集中しました。その後、弟のEbenとGRACE designを立ち上げたのです。より大きなスケールで生産ができるようになったおかげで、より良いコンポーネンツをコストを下げて入手することができるようになりストレスがなくなりました。そうして最初のプロダクトであるModel 801プリアンプが完成したのです。



GRACE designのような中規模のマニュファクチャーにとって、製造、設計面で大規模メーカーとの違いはどこにあるでしょう?


クオリティーコントロール(品質管理)こそが、いかなるマニュファクチャーにとっても重要な課題であると考えています。私の製造する製品はどれも高価で、思いつきで購入するような製品ではありません。


私たちは製品を生産するたびに全てを正確に、確実に組み上げる必要があります。外部のベンダーとの協調を取りながら、パーツや製造の誤差を常に取り除くことに多くの時間を使っています。生産ロットによって異なるパーツの詳細についても事細かに調査して、だめなものは全て取り除きます!大きなマニュファクチャーはここまで細かな品質管理はできません。同じロットの製品は全て同じ品質であるとの仮定のもとで生産されています。私たちの場合には「全ての一台について100%完璧であること」に多くの努力を惜しみません。ユーザーはそれを望んでいるのですから。クオリティーコントロール(品質管理)はGRACE designの中では食べたり、飲んだり、息をすることと同じくらい当たり前に大切なことなのです。これは本当に大変なチャレンジですが、私たちはこのことをコントロールし続けなくてはならないと誓っています。



アナログ機器のデザインにおいて、現代のデジタル・レコーディング・テクニックとの関連性はいかがですか?


目を見張るほどのデジタル技術の進化は、私たちメーカーにとって忙しくても見据えていかなくてはなりません。ユーザーは一年前とはもう違っていて、要求も異なるものになっているのですから。「今年はどんなデジタルフォーマットをサポートする?」なんて具合です。大きく考えれば、ユーザーはより安い価格で大衆的な製品を購入し、多くのチャンネルを低価格で揃えられるようになるでしょう。そして「OK。全ての機能もパワーも能力も揃った。果たして本当にこれで全部OKなのかな?」と思うわけです。そしてGRACE design製品の利用される市場は正にそこにあるわけです。ユーザーはまず自分のオーディオインターフェースやミキシングコンソールの中には【ベストなマイクプリアンプ】が入っていないことに気がつくわけです。またコンソールが要らなくなった現代でもモニターコントローラーはまだどうしても必要なわけです。私たちのモニターコントローラー製品はコンソールの消えたスタジオで、最先端の機材として活躍しています。



品質管理のプロセスも個々の価格に反映されたものなのですね


もちろんです。個々のプリアンプや製品について膨大な時間が検品、ダブルチェックの検品、検査、そしてロングランテストに費やされています。大きなメーカーでは1000個の製品を流れ作業で組立て、10台のうち1台を取り上げ内部に悪い所がないかどうかチェックしています。私たちは違います。全ての固体について、全ての機能、全てのゲイン設定、全てのスイッチのポジション、全ての入出力、全部の事項について詳細を検品します。一つでもだめなことがあれば、それは「壊れている」ということなのです!GRACE designでは100%パーフェクトな製品だけをパッケージしてユーザーに届けているのです!








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