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日本で正式デビューを果たしたばかりのラトビアのブティックペダルメーカー”ZCAT Pedals”。
たいへん丁寧な作りとその研ぎすまされたクリエイティブサウンドに注目が集まる新進気鋭のブランドです。

ZCAT Pedalsでは空間系を中心に、従来にはなかったタイプの様々なペダルエフェクターを展開していますが、今回の〈エフェクター批評〉ではZCAT Pedalsを一躍有名にした「HOLD」機能にスポットライトを当ててみようと思います。

BigReverbTI

ZCAT Pedalsが提案するHOLD機能が搭載された製品は現在(2014年春現在)のところ3機種あります。HOLD機能はサウンド(ノートやコード)をドローン(持続音)させて、その上に更に演奏したサウンドを重ねられる機能です。

ZCAT Pedalsでは各ペダルのHOLD機能におけるアプローチが少しずつ異なっており、それぞれが個性的で美しいサウンドとなるよう仔細にチューニングされています。そのサウンドメイクの感性はとても芸術的で、ZCAT Pedalsならではの独創性に溢れています。

それではZCAT PedalsのHOLD機能を備えた代表作3機種を検証していきましょう!

HOLD-REVERB

ZCAT Pedals HOLD-REVERBでは、上の動画のように、HOLDフットスイッチを押しながらACアダプターを刺す事で「モメンタリーモード」(LEDが1回だけ点滅)、または「ラッチングモード」(LEDが2回点滅)を切り替えて演奏できます。

「モメンタリモード」では上のビデオの前半の演奏のように、HOLDフットスイッチを押している限りずっとリバーブサウンドが持続します。つまり足で踏みっぱなしにしている間はドローンになります。
モメンタリーモード↓

「ラッチングモード」ではビデオの後半の演奏のように、一度HOLDフットスイッチを踏むと(足を離しても)リバーブサウンドが持続します。もう一度HOLDフットスイッチを踏むとドローン再生を終了します。

ラッチングモード↓

ZCAT Pedals HOLD-REVERBのHOLD機能では、リバーブのディケイ成分の短いサンプルを切り取り、それをリピート(Freeze)させています。HOLDされたサウンドの特徴はまるでシンセパッドのようなエフェクティブな響きになります。

またHOLDサウンドが持続している時に、新たに演奏したサウンドを重ねる事ができます。この重ねられるサウンドにはリバーブをかけることも、完全なドライ信号にすることも可能です。

ちなみにDecayは以下のビデオのように一般的なリバーブ相当です。次に紹介するBig Reverb TIはとんでもなく長いDecayが設定できます。

Big Reverb TI

ZCAT Pedals Big Reverb TIでは、上の動画のように驚くほど長いDecayを設定できます。またフットスイッチを押しながらACアダプターを差し込むたびに、「トゥルーバイパスモード」と「バッファードバイパスモード」を切り替えが可能です。

「トゥルーバイパスモード」では以下の動画のようにリバーブの残響はフットスイッチを踏んでエフェクトをオフにした瞬間にカットされます。
↓トゥルーバイパスモード

対してBig Reverb TIの「バッファードバイパスモード」では以下の動画のようにリバーブの残響はフットスイッチを踏んでエフェクトをオフにしても持続しています。

 

↓バッファードバイパスモード(先にDecayとLevelとMixの各設定を実演しています。後半をみるとバッファードバイパスの効果が良く分かります。ビデオの実演のようにフットスイッチでOFFにしてもリバーブの長い残響が残っているので、そこにドライサウンドのソロなどを重ねてプレイする事ができます。)

Big Reverb TIのHOLD機能は特別です。HOLD-REVERBとは異なる手法で、とんでもなく長いDecay設定にすることでつなぎ目のない滑らかな幻想的なリバーブ・ドローンサウンドを実現しています。ディケイがとんでもなく長くなるので、以下のビデオのように実際にはだんだん音が小さくなっていきます。HOLD-REVERBではずっと一定の音量でドローンが持続するので、ここが大きな違いです。

↓長ーいディケイを録画してみました。

あまりに長いので途中で指が痛くなってしまいました・・足でやればよかった!(笑)
↓幻想的なノイズっぽい深いリバーブドローンも美しいです。

Big Reverb TIでは、またHOLDしている時に重ねられるサウンドについてはドライサウンドのみになります。HOLD-REVERBではHOLDしているドローンに重ねて演奏できるサウンドには、リバーブをかけたり、かけなかったりできます。

Hold-Delay-Chorus

ZCAT Pedals Hold-Delay-Chorusでは、上の動画のようにコーラスのかかったドローンサウンドをHOLD機能で得ることができます。まるでシンセサイザーのような立体的で美しいドローンサウンドが実現できます。

まずHold-Delay-Chorusは普通のディレイとして使えるDelayモードがあります。

↓Delayモード

普通の高品位なデジタルディレイですね。右側のフットスイッチでディレイタイムのタップテンポ入力が可能です!

次にHold-Delay-Chorusを普通のコーラスエフェクターとして使用してみた例です↓ たいへん高音質・高品位なコーラスサウンドが楽しめます!

さて、Hold-Delay-Chorusではフットスイッチを踏みっぱなしにしているあいだドローンサウンド(持続音)を発生させることができます。HOLD-REVERBとは違い、モメンタリとラッチの切り替えはなく、モメンタリモード(フットスイッチを押している間だけドローンが持続する)のみとなります。ただしHOLD機能が使用できるモードには2タイプあり、トグルスイッチで切り替えが可能です。

またZCAT PedalsのHold-Delay-Chorusではドライサウンドの短いサンプルを切り取り、それをリピート(Freeze)させています。手法はHOLD-REVERBと同じですが、HOLD-REVERBがリバーブ音のサンプルからドローンを生成しているのに対し、このHold-Delay-Chorusではドライサウンドをループ再生してドローンサウンドを作り出しています。

hold_3

まず最初のモードは【HOLD+CHORUS MODE】です。このモードでは<HOLD+TAP TEMPO>を押している間、ドローンサウンド(持続音)を発生させ、さらにこのドローンサウンドにソロギターなどの音を重ねることができます。このモードではそのソロギター音にコーラスエフェクトをかけることができます。ドローンサウンド時には、HOLD LEVEL(保持しているサウンドのレベル)、HOLD CHORUS(保持しているサウンドへのコーラスエフェクトの深さ)、CHORUS ON DRY( ドローンに対して音を重ねるサウンドにコーラスエフェクトをどの位かけるかを調整。左回し切りでドライサウンド、右に回すほどコーラスがかかってきます)の3つのノブを自由にコントロールできます。

↓このビデオのように、Hold-Delay-ChorusででHOLDされる持続音はドライサウンドをキャプチャーした物です。つまり真ん中のノブ(HOLD CHORUS)をしぼりきればドローンサウンド自体にコーラスがかからず、ドライ音の持続音となるのです。

またこの↓でよくわかると思いますが、持続音に対して重ねられるサウンドには、コーラスのかかっている音、またはコーラスなしのドライサウンドを調整できます(一番右のCHORUS ON DRYノブで)。下の動画では右手をフットスイッチの保持に使ってしまったので・・・左手だけで実演しています。足を使えばよかった・・・

またトグルスイッチの3番目のポジションである、HOLD MODEでは<HOLD+TAP TEMPO>を押している間に新たなドローンサウンド(持続音)を発生させますが、重ねられるギタートーンはコーラス効果のないドライ音のみとなります。ドローンサウンド時には、HOLD LEVEL(保持しているサウンドのレベル)、HOLD EFFECT(保持しているサウンドへのコーラスエフェクトの深さ)、DRY LEVEL( ドローンに対して音を重ねるサウンドの音量調整。左回し切りで音量ゼロ、右に回すほど音量が大きくなります)の3つのノブを自由にコントロールできます。このモードでは重ねられるサウンドのレベルが独立して調節できます。

本日ご紹介しましたZCAT PedalsのHOLD機能をもった3機種は、どれも驚くほど個性的で、かつ各エフェクトはサウンド・品質・センスと全てが抜群のアプローチで設計されています。とにかく想像性にあふれていて、クリエイティブなサウンドを演出するための素晴らしいパフォーマンスを約束しています。

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