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Studio compressor コンプレッサー

WesAudioのVari-Muコンプレッサー「Timbre(ティンバー)」サウンドレビュー。by イデア・サウンド 青野様。

WesAudioTimbre(ティンバー)は、オリジナル・ビンテージのGates STA-Levelコンプレッサーをリファインした「アップグレード・バージョン」です。 最高の品質を持った厳選されたパーツを選択しただけでなく、多くのファンクションをGates STA-Levelの設計に融合させることに成功しています。新たに加えられた3つめのモード(より短めのアタックタイム)、ハイパス・サイドチェイン・フィルター、ステレオ・オペレーションのためのリンク機能、バイパス・ファンクションなどが加えられたことで、現代にも通用する使い勝手と、美しく滑らかなビンテージ・コンプレッション・サウンドが達成されています。 Timbreでは新たなプログラム・コントロールのリリース回路を採用したことで、40dBのリダクションをかけたとしても、サウンドの密度や整合性を失うことがありませんhttp://www.umbrella-company.jp/wesaudio-timbre.html

今回は、1970年代よりレコーディングエンジニアとしてご活躍され、ビンテージ機材への造詣が深く、オリジナルのGates STA-Levelも使われてきた青野光政さんに、Bass、Vocal、Drumsなどの楽器を素材にして、ModeやReleaseなどの各設定を変更しながら試聴していただき、それぞれの印象なども交えて解説していただきました。

青野光政 プロフィール 1971年 学生時代、ニッポン放送にて技術アルバイトを始める 1974年 ビクター・スタジオにて、アシスタントを始める 1976年 ヤマハ音楽振興会入社。アシスタント、      チーフ・エンジニアを始める。 在籍中、中島みゆき、八神純子、石川優子、山根麻衣 クリスタル・キング等の、レコーディングに参加。 1982年 ヤマハ音楽振興会退社。フリー・エンジニアに。 1992年 有限会社イデア・サウンド設立。 現在に至る。 主なアーティスト; SMAP、嵐、MATCHY with QUESTION?、Kinki Kids、ASUPALGU、TRICERATOPS、KOJIKANATUR、泉谷しげる、ザ・フォーク・クルセダーズ、浜田省吾、井上陽水、中島みゆき、林田健司、真心ブラザーズ、THE COLTS、ツノダ・ヒロ、カルメン・マキ、class、早見優、松本伊代、少女隊、島谷ひとみ、MAX、hitomi、TRF、鈴里真帆、ポケットモンスター、他、多数。 ************************************************************ I・DE・A Sound主宰のレコーディングエンジニア。 ビンテージ機材への造けいは業界でも有名。アイドルからジャズ、クラシックまで、ジャンルを問わず幅広く活躍している。

Wes Audioからヴィンテージコンプレッサー「Gates STA-Level」をリファインした「Timbre」Compressorが発売されています。 「Timbre」はTUBEに6386を使用した、Vari-Muコンプレッサーです。 TUBEの6386は、「Gates STA-Level」でも使われていて、Vari-Muコンプレッサーを代表するFairchild model670model660にも使われているTUBEで期待大です。

E.Bassで聴いて見ます。「Timbre」が「Gates STA-Level」の特徴が出るか試してみます。 INPUT,OUTPUTは、大体30の位置にSetして有ります。ModeをSINGLE、Releaseは一番左に振り切ったSLOWで試しています。このポジションが「Gates STA-Level」に一番近いモードかと思います。 おおっ、Bassの音がかなり太く重心が下がりました。ただ、「Gates STA-Level」でもよく起った記憶が有るのですが、音の分量バランスは少しギクシャクして、引っ込んでしまうポジションや大きくなってしまうポジションが有ります。 Releaseを左から右へ3つ回したポジションにしてみます。だいぶ、音の分量バランスは良くなってきます。さらに右に一つ回してみます。音の分量バランスは良くなりますが、Kickドラムと噛み合いが悪くなり、グルーブが悪くなってしまいました。 さらにReleaseを右に振り切ってみます。グルーブ感が、少し他の楽器を聞いていないベースマンになってしまいました。「Gates STA-Level」に結構似ているな、と言う印象です。「Timbre」は「Gates STA-Level」とは違うセッティングがあるので試してみます。

ModeをTRIPLEにして使ってみます。このModeは「Gates STA-Level」には付いていないので興味津々です。 Releaseを左から右へ3つ回したポジションと一番右に振り切ったポジションです。まずは、3つ回したポジションで、比べ物にならないくらいグルーブ感がよくなりました。ただまだ音の分量バランスが大きかったり小さかったりします。 一番右に振り切ったポジションではどうでしょうか。音の分量バランスは良くなったのですが、グルーブ感が落ち着きません、一番右に振り切る一つ前のポジションで聴いてみます。ここで気にならない所に落ち着きました。 凄くこのAttack、Releaseを調整出来るのは良いです。「Gates STA-Level」で一番きにいらなかった所が、90%無くなっています。 DOUBLEポジションが一番最後になってしまいましたが、聴いて見ましょう。SINGLEよりは良くなって入るのですが、今回のBass音源には余りよくありませんでした。ちょうど、SINGLEとTRIPLEの間の感じがしました。

ドラムで聴いて見ます。Kickです。ModeをSINGLEで掛け、Releaseは一番左に振り切ったSLOW、Side Chain FilterはONで試してみます。Inputを30で聴いています。これまた、太さが出ていいです、特に、200Hz~300Hz辺りが出て来るのですが、太さだけ増して、腰高にならず、もたつきも無いのでとてもいい音です。 ちょっとハードコンプレッションしてみます。INPUTを85位でかけています。音が破綻せず、太さ、かぶりの音が良い感じで膨らみKickの口径が大きくなった感じです。良いです。 SN(スネアドラム)で聴いて見ます。Kickと同じModeはSINGLEで掛け、Releaseは一番左に振り切ったSLOWで聴いて見ます。入れた瞬間にHiの倍音が多くなります。嫌な腰高感は少し増えました。Releaseは一番右のFASTへもって行きます。SLOWより、SNのアタック音は減り響き線の音が増えました。この辺はSNの録れ音にもよるので、この結果が全てでは無いと思います。 ハードコンプレッションもしてみます。Kick同様、INPUTを85位でかけています。音は破綻せず変なアタックだけの音にもならずに音が変化します。ModeをSINGLEからTRIPLEへ、Releaseは一番右のFASTで聴いてみます。先程のModeはSINGLE 、Releaseは一番左に振り切ったSLOWより音色はSNの纏まった音になりました。 僕は、こちらの方が好みでした。

では、ヴォーカルを試してみます。女性Vocalです。まずは基本ポジションのModeをSINGLE、Releaseは一番左に振り切ったSLOWで試してみます。手コンプ無しの、マイクHAからアーティストVoを直で「Timbre」に入れています。「Gates STA-Level」同様に聴こえ方が大きかったり、小さかったりして、唄の詩が聴こえづらい所が出てしまいます。 この状態からReleaseを極端に早い一番右に振り切った所で聴いてみます。先程気になっていた詩の聴こえづらい所は、かなり解決して聴こえやすくなりました。 ModeをTRIPLE、Releaseは一番右に振り切ったFASTで試してみます。このポジションは、「Gates STA-Level」には無いポジションなのでどう聴こえるでしょう。今まではVoがかなり引っ込んでしまう現象が有ったのですが、このポジションでは無くなりました。グルーブ一体感がよく、とても聴きやすくなりました

まとめですが、「Timbre」は「Gates STA-Level」で僕が使い難いなと思っていた所を改善されていてとても助かりました。そして、これだけの機能がついてこの価格で購入出来るのは素晴らしいと思いました。

 

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