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私の長年のフェイバリット・ミュージシャンでもあるニール・ヤングが、ジャック・ホワイトが所有する「Voice-o-Graph recording booth」を使用して録音された、カバーアルバムを発表しました。

このVoice-o-Graphは1940年代に製造されていたもので、コインを投入して電話ボックスの受話器から直接アナログレコード(6インチ)にカッティングできるもので、ニューヨークのMUTOSCOPEという会社が製造していました。

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vog-insideジャック・ホワイトはコンディションの良い1947年製のVoice-o-Graphを買い取り、それを細部までメンテナンスして「Third Man Recording Booth」として蘇らせました。世界でも動いているVoice-o-Graphはジャック所有のものだけのようです。またオリジナルでは6″の盤に78回転でカッティングを行うものだったようですが、改造して45回転にしたようです。トータル2分までのレコーディングができるようです(という事はニールの新譜はどうやって録音したのでしょう?2分ずつ録音して編集でつないだのでしょうか?)。カッティングについても、技術的には現代の技術に比較するとボリュームやグルーブが失われがちな部分を、ホームステレオでも最適な再生になるよう調整・改造されているそうです。実機はジャック・ホワイトが運営するナッシュビルのインディペンデント・レーベルThird Man Recordにあるそうで一度見てみたいものです!

Third Man RecordsにあるVoice-o-Graph

Third Man RecordsにあるVoice-o-Graph

 

 

さて、ニール・ヤングですが最近では高音質の携帯ミュージックプレイヤーである「PONOを考pono案&プロデュースしてKickstarterで6億円以上の資金調達をしたり、アナログサウンドの素晴らしさをデジタルフォーマットで再現しようとDVD-Audioなどでの作品をリリースしたり、ラノアと一緒に部屋鳴りを重視した(スタジオを使用しない)轟音ギター作品をリリースしたり、と「音色・音質へのこだわり」が強いことで有名です。実際に最近のアーカイブシリーズなどはどれも音質が素晴らしく、ハイファイという感じではなく、塵や埃や匂いや懐かしい風景が思い起こされるようなオーガニックなアナログサウンドが素晴らしい。ニールが伝えたいアナログ感というものがとても伝わってくる作品でした。

そして今回のVoice-o-Graphを使った、ダイレクト・アナログカッティング録音で収録された音楽は、またもや私の大好きなバート・ヤンシュ(Needle of Death!)や、Gordon Lightfoot、Tim Hardinなど1960年代のトラッド系のフォークソングも取り上げられています。ディランのGirl From The North Country も聴けるようですし、さらにBlowin’ in the Windがボックスセットでのみ聴けるらしいです!

下にシェアしたテレビ番組(Tonight showの司会はもうジェイ・レノじゃないんですね・・・)では、出演したニールとジャックが実際のVoice-o-Graph(Third Man Recording Booth)を解説しています。2つめのビデオではなんと実際にブースに入ってニールが演奏しています!狭いからパーラータイプのギターじゃないと厳しいのか・・(笑)(動画の最初にCMが入りますが我慢して見てください)

ニールにとって、Voice-o-Graphのマイクロホンは「まるで30年前に聴いたサウンドのようだった」ようで、祖父の古いトランジスタラジオのようだったとも語っています。そのローファイなアナログサウンドは、ディランの「北国の少女」などの曲が持つ「感情」を見事に引き出してくれたようです。

またデラックス・ボックス・セットの内容が強烈で、以下のようになるようです。

●180グラムアナログ盤LP(通常盤アナログ)
●オーディオマニア用180グラムアナログ盤
●CD
●レコーディング風景などを収録したDVD
●32ページの豪華ブックレット
●高音質音源がダウンロード可能となるダウンロード・カード
●6インチ33回転クリア・アナログ盤7枚(7枚目にはボックス・セット限定のボーナス・トラック(ボブ・ディランの“風に吹かれて(原題: Blowin’ in the Wind)”を収録)

なんと!6インチのアナログ盤も7枚含まれていて、これは何と直接Voice-o-Graphからカッティングされた盤であるようなのです(多分・・ちょっと情報が少なくて未確認情報なのですが・・間違っていたらごめんなさい)。180グラムアナログ盤LP(通常盤アナログ)とオーディオマニア用180グラムアナログ盤の違いも気になりますねぇ・・・。

個々にちがった、それぞれに個性のある「音楽」に、一番寄り添える「サウンド」である事が大切だと再認識させてもらった話題でした。100人いたらみんな感じ方が異なって当たり前なのが「サウンド」であって、全員が良いと評価される「サウンド」には絶対にならないのが「オーディオ」の難しいところでもあり、おもしろいところでもある、と思うのです。

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