Vintech Audio model273導入事例

STUDIO MARK オーナー、チーフエンジニア　峯岸 司 様 http://studiomark.jp

緑豊かな東京都多摩市の住宅地に構えるレコーディングスタジオSTUDIO MARK様。音響に拘って作られたという天井高5mのラージブースをメインに３つのブースを備え、Pro Toolsによるリズム録りからストリングスなどの収録まで対応しています。 今回は、3年ほど前に導入していただき、現在もご活用いただいているVintech Audio model273について、インタビューさせていただきました。

― ★まずSTUDIO MARK様では、主にどのような作業をされているのでしょうか？

峯岸様：営業を始めて6年経ちましたが、最近は主にJ-POPやゴスペルなどのレコーディングをしています。バンドものよりもアーティストものの割合が大きいです。音楽以外では、ナレーションなどの収録もしています。 音楽の作業では、リズム録りから歌まで全てのレコーディングからミックスまですることが多いです。グランドピアノ、弦楽器や管楽器なども録っています。マイクプリアンプは26チャンネル分用意していて、リズム録りなどで複数のマイクを使う場合には、16チャンネル分あるFocusrite ISA828を使っています。

―★model273はどのような用途で導入を検討されたのでしょうか？

峯岸様：メインの楽器も録れるマイクプリとして導入を検討していました。 検討にあたって、model273以外にChandler Limited TG2やGermanium Preなども試させてもらいましたが、TG2は高域に特長があって、ドラムのトップやアコースティックギターにはとても良い印象でした。キャラクターがあって、良い感じにEQされた音で録れるように感じました。Germanium PreはマイクだけでなくギターをInst Inに入力して録って試したりしましたが、低域に特長がある印象でした。 model273も色々な楽器で試しましたが、レンジの広さもあって、ギターアンプで試した時は、弦のニュアンスもしっかり前に出て聴こえるような、音楽的な音でした。ゲインのノブなどの作りもしっかりしていて見た目の印象も良かったですね。

― ★model273の導入の決め手は？

峯岸様：この時はメインのボーカルなどに使えるマイクプリの導入を考えていて、検討していた当時は外のエンジニアの方に使っていただく機会も多く、音はもちろん使いやすさも重視して選びました。

― ★普段からお使いのISA828とはどんな違いを感じていますか？

峯岸様：ISA828は癖が少なくフラットな印象で、良い意味で普通に録れる音ですが、model273は同じボリュームでも、もっと存在感が出てくるように感じました。

― ★メイン用とのことですが、導入後は実際どのようにmodel273をお使いいただいてますか？

峯岸様：model273はやはりISA828よりも存在感を前に出したい楽器、例えばドラムにはスネアやキックなどに使うことが多いですね。あとはボーカルやSAXなどに使うことが多いです。マイクはNeumann U87AiやPeruso 2247SEで録ることが多いです。 ステレオで使うよりも、キックとスネア、ギターとベースなどそれぞれ異なる楽器に使うことが多いです。

― ★model273は高域、低域の2バンドのEQが付いていますが、作業では使われていますか？

峯岸様：だいたい楽器や声質に合わせてマイクとの組み合わせを選択したり、マイクセッティングで音を作るようにしていますが、状況によって補正の目的で使っています。

― ★峯岸さまが特に気に入っている使い方などありましたら、是非お聞かせください。

峯岸様：ベースはライン録りすることが多いのですが、その際にmodel273の楽器入力に直接挿した時の音が一番良い印象で、とても気に入っています。DIはいくつかスタジオで所有していますが、model273に通した音が素晴らしいので、できればいつもこれで録りたいですね。

― ★ありがとうございました。