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Chandler LimitedのTG2-500は、EMI/アビィロード・スタジオのオフィシャル製品として発売されている血統書付のブリティッシュ・マイクプリアンプです。ザ・ビートルズやピンクフロイドが使用した当時のサウンドがそのまま現代に甦ります。

最新のRecording Magazineの10月号でオリジナルのTG2などとも比較しながらのレビューが掲載されましたのでご紹介いたします!

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米国アイオワ州のShell Rockという小さな街から世界に向けて製品を出荷しているChandler Limitedは、世界的に名声を得たオーディオ・プロセッシング製品を生産している。 また開業から15周年を迎えてなお素晴らしい製品を送り出し続けている。

デザイナーであるウェイド・ゴーク氏は、コンプレッサー、イコライザー、マイクアンプなどの業務スタジオの為のハイエンドプロセッサーを設計するだけでなく、近年ではギターアンプやギターペダルを設計し、楽器マーケットからもリスペクトされている天才デザイナーである。

また英国のEMI/Abbeyroad Studioとはロングタームの業務提携を結んでおり、オフィシャル製品としてEMIオリジナル・スタジオ製品を開発・販売を行っている。

最新のREDD.47真空管マイクプリアンプでは、アビィロードスタジオ伝説のコンソールに搭載されていたマイクロホンプリアンプが完全に再現されおり、チャンドラー初の真空管搭載のスタジオ機器と言う事もあり話題が集まっている。

EMIとCHANDLER Limitedは2001年にオリジナルのTG-12345コンソールの復刻プロジェクトを立ち上げた。ザ・ビートルズのラスト・レコーディング・アルバム「Abbey Road」やピンクフロイド不朽の名作「Darkside of The Moon」などのロック名盤を象徴するあのアナログサウンドが見事再現されている。TG-Channel(マイクプリ+EQ), TG-1(コンプレッサー)、 TG2(マイクプリアンプ)や特別モデルのZener Limiter(コンプレッサー)、Curve Bender(マスタリングEQ)、TG MIXER(ラックミキサー)などが発売されている。

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そして今回はAPI500シリーズに対応するEMIオフィシャル初の500モジュールとしてTG2-500 シングルチャンネルのマイクプリアンプが新登場になった。

TG2-500をレビューする前に、オリジナルのTG2(ラックマウント)機器について説明しておこう。

TG2はラックマウントタイプの2chのマイクプリアンプでEMIのフラッグシップカラーとも言えるバトルシップグレイに塗装された頑強な筺体が印象的だ。各チャンネルにはビンテージな風合いでオリジナルのEMIコンソールに忠実なチキンヘッドノブが搭載される。最初のノブは+5~+75dBのゲインコントロール、2つめのノブはアウトプットのボリュームコントロールになる。

各チャンネルは位相反転と48V、インピーダンス(1200/300オーム)の切替スイッチを装備する。DIボタンを押すとマイクアンプをミュートしてフロントパネルに設けられたDI/楽器入力を有効にする。またサミング機能も搭載されていて、両方の入力を足して2チャンネルめの出力に送ることができる。スネア、キック、ギターアンプなどで、2つのマイクソースを足すことでサウンドに幅を与えられる。

TG2はオールディスクリート、クラスAB回路、バランスのCarnhill (St. Ives) 入出力トランスを贅沢に搭載している。

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そして今回新発売になったTG2-500では、API500フォーマットに最適化されシングルチャンネルに変更されている。私は(オリジナルに比較して)どんな回路的な変更がされているか、そして何故API500用のモジュール化にこんなに時間がかかったのかを設計者のWade氏に尋ねた。「回路設計の特にリバイアシングの作業にとても時間がかかりました。ここ数年の間いくつかの異なるアプローチを試して、API500のフォーマットにおいてもTG2の正しいサウンドが再現されるようチャレンジし続けました。TG2-500はラックマウントタイプのTG2と全く同じパーツ構成で作られているのです!もちろんトランスについても同じものです。唯一異なるパーツと言えばいくつかのキャパシターくらいです。」との事である。

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500シリーズのフォーマットに、ラックマウントタイプのTG2と同じサウンドを再現する事は、その限られたスペース内に正しい設計することが鍵となりました。ただし多少の変更があり、入力ゲインの設定は+20dB~+50dBとなっており、これに加えて-10dB~+10dBのFine Gainを独立させています。これにより最大ゲインは+60dBとなります。(この事によって得られるサウンド客ターのバリエーションについてはこちらに解説があります)

またとても大きなTG2とTG2-500の違いは、TG2-500ではDI入力を持たない点です。Tg2-500にはDIスイッチはなく、MIC/LINEの切り替えのトグルスイッチとなります。ライン入力ではTG2-500のアナログ質感をラインソースのトラックに加えるような使い方もできます。その他のインピーダンス切替、48V、位相反転についてはオリジナルTG2と同じです。

Chandler LimitedのTGシリーズのマイクプリアンプは、セッティングによって様々なトーンを構成できます。API 212/512 や Neve 1073に代表されるビンテージサウンドが正に「モダーンクラシック」と呼ぶに相応しい音質です。モダンなロックギターをShure SM57やSennheiser MD421などと組み合わせて、さらにRoyer R-121などのリボンマイクで録音するには、本当に最高のマイクアンプです。

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ビートルズのアルバム、アビーロードを聴いた時に感じるあのTGデスクのシグネーチャー的サウンドはパンチがあり、ソリッドなボトムエンドが特徴的です。またトップとミッドのプレゼンスにも素晴らしい物があります。「the book Recording The Beatles」という本の112ページにこの特徴的なサウンドについて著者のKevin RyanとBrian Kehewは事こまかに述べています。そこには「TG-12345コンソールのサウンドは正に滑らかで磨かれた( “smooth and polished.”)サウンドだ」と書かれています。私はその表現と全く同じことをChandlerのTGシリーズを聴いた感想に思いました。

私自身はもうすでにTG2を9年近くも愛用しています。TG2は私のスタジオのサウンドの最も重要なパートになっています。その他のマイクプリには、クライアントがよりストレートな音質を希望する場合にはMillennia Media HV-3を使用します。ただしクラシックなバイブを求められた場合には必ずTG2を使用します。

TG2はプッシュ-プルのゲインストラクチャーを採用しているので、まるで魔法のようにクリーンサウンド~粗いサウンドまでを表現できます。またインピーダンスの切り替えによって、理屈抜きに素晴らしい中域が前に出た立体的なパンチを得る事も出来ます!

私はTG2をフォークや伝統的なジャズの録音にも積極的に使用しています。もちろんアンビエントな電子音楽や、もちろんロックやプログレ、メタルミュージックにもです。ボーカルからアコギ、パーカッション、バイオリン、マンドリンなどなど、どんな楽器にもTG2は使用できます。もちろんエレクトリックギターやドラムには言うまでもありません!!

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TG2-500はもしすでにAPI電源ラックを持っている人には、ラックのTG2よりもとても安いコストで購入することができます。またラックのスペースの許す限り多チャンネルのTG2-500を組みこみ、4チャンネルや8チャンネル構成も可能です。

私自身が常に望んでいるクラシックなサウンドをこのマイクプリアンプは持っています。個人的には最高のサウンドのマイクプリアンプがCHANDLERのTGです。あなたも是非使用してみてください。

 

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