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Overdrive distortion fuzz 歪ペダル

エフェクター批評 vol.10 オーバードライブ系歪みペダル/エフェクターのおすすめ機種を比較試奏!

  ちょうど社内に弊社取扱いのオーバードライブ系ペダルのデモ機が揃っていたので比較試奏をしてみました。何かリファレンスになるオーバードライブが欲しかったので、BOSSのSD-1とBD-2と比べてどんな感じかも合わせてレポートしてみます。 オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較 やってみると分かるのですが、歪って本当に好みが色々ありすぎて評価すること自体難しいジャンルです。以前にやったコンプレッサーペダルの比較なんかはもっとオーディオ的な部分で書けるので比較的レビューしやすいのですが、歪みの場合はどんな曲で、どんなジャンルで、どんなゲインで、どんなプレイスタイルで・・・といった具合に判断基準がありすぎるのです。また好みといった点でも、「どんな女の子を可愛いと思うか?」という質問と同じで、人それぞれ全員違って当たり前みたいな所もあると思います。 というわけで徹底的に主観的に書くしか思いつかないのでお許しください。BOSSペダルと比べてどうか?という部分についてはなるべく正しく冷静にジャッジしてみたつもりです。試奏にはSadowskyのストラトとDemeterのTGA真空管アンプの組合わせ、さらに自作のキャビネット&マイクシミュレーターを通したヘッドホンでの試聴も行ってみて、できるだけ広い視点で比較してみたつもりです。 また技術部のSさんにお願いして一言技術解説を書いてもらいましたので、サウンドレビューと合わせてご覧ください。 この記事でいくつかのオーバードライブペダルに興味をもたれたら、どうぞ是非お近くの楽器店で実際に製品を試奏してみてくださいね! オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較       オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較

BOSS /SD-1

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較以前にも何かの記事で書きましたが筆者が20代の頃を通じてずっと長い間使っていたのがこのBOSS SD-1です。もう良い悪いというレベルではなく、個人的には一種の基準になっているようなサウンドです。やはりライブハウスではアンプによってサウンドを同じには保てないので、できるだけ真空管アンプに近い歪みペダルを探して結局ド定番のこのBOSS SD-1にたどり着きました。当時ニール・ヤング&クレイジーホースの2ndとか、はっぴいえんどのライブアルバムのプレイとサウンドを研究していて、音の潰れない、ミュートしたローコードの低音がずんずんくる、小さい真空管アンプを「11」にした時のような歪が良くて、ハコには大体おいてあったTwin ReverbとSD-1で演奏しました。今改めて聴きなおしてみるとミッドによった独特の癖のあるサウンドでレンジが狭く感じますね。甘くオーガニックな歪み、潰れすぎないサウンドは個人的には聴きなれた音で悪くはないです。ギターの手元のボリュームの変化というよりはピッキングの強弱への反応が良いと思います。ギターの手元ボリュームを絞ってもあまりクリーントーンまでは下がらないですが、手元で半分少しまで絞って弾くアルペジオなんかはいい感じです。トーンの効き具合に関しては真ん中だとくぐもりすぎますが上げていくとスカッと明るくなります。ゲインはそれほど上がりません。あくまでもクランチトーン主体で使用するのが昔からの個人的な使い方で、より歪が欲しい場合には僕はSD-1に加えてファズペダルを踏んでいました。

SD-1 技術解説

オペアンプのフィードバックループにダイオードを入れたクリップ方式。波形の上下でクリップする電圧を変えた非対称クリップ。帯域をかなり絞ってあり、緩やかではあるがほとんどMid Booster、大型アンプのブースターとして相性が良いのはそのため。どう弾いてもトーンは安定している
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BOSS / BD-2

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較ブルースドライバーは少しの時期使っていましたが、僕の使い方だと歪のエッジが強すぎるような気がして結局SD-1に戻りました。個人的には甘めが好きなのでBD-2が少し硬質でエッジのある音に聴こえます。ただSD-1に比較して、より真空管アンプの高域の飽和感やサチュレーションが目立ち、ローも響くし、音も前にでてくるのでファンが多いのも頷けます。ゲインもかなり上がるし、ディストーション的なアグレッシブな歪み感もあると思います。ギター手元ボリュームにはかなり反応が良く、歪ませぎみのサウンドでもかなりクリーンっぽく絞ることもできます。逆にピッキングの強弱は反応が世間一般に言われるほどよくないと個人的には思っていますが・・・。トーンの効きは普通ですね。高めの設定でジャラーンとギラつきを表現できます。僕みたいに地味なサウンドが好みの人よりも、もう少しモダンなプレーヤーさんにも向く音なのかなと思い、今回比較試奏の仲間に入れてみました。参考になればよいのですが・・・。

BD-2 技術解説

トランジスタによるゲインセクションとプリトーン回路を設けたダイオードクリップセクションにより歪を作っている。プリトーン回路が歪ませる帯域をコントロールするのでフロントPUでも、荒々しくも暴れすぎない深い歪までちゃんと使えるサウンド。ピッキングやボリューム操作にも追従性は良い。BD-2は軽く歪ませたサウンドもカッコイイ、表情が豊かで好きなサウンド。
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Empress Effects / Germ Drive

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較さて最初に比べてみるのはカナダの高品位ペダルメーカーEmpressのGerm Driveです。Twin Reverb位の歪みサウンドを想定してサウンドメイクした音を聞いてみると、明らかにBOSS SD-1より抜けのよい、レンジ感のあるサウンドです。また歪みサウンドに癖がなく明瞭なフラット感があります。BD-2のようにあからさまな(エッジのある)真空管っぽさ(特に高周波の飽和感)はないのですが、適度にマイルドなチューブアンプぽさがセンス抜群です。ゲインはかなり低くてローゲイン、クランチ専用の設計のようです。特筆すべきはコード感がまったく潰れないこと、ミドルが太い点でしょうか。ギターの手元ボリュームへの反応はなかなか良いです。少しボリュームを落としてストラトのハーフトーンで弾くアルペジオは端正で美しいサウンドになりました。またピッキングの強弱には凄く反応してくれます。特にピッキングを強めにしたときに高域がリミッティングされてクリップするようなサウンドはまさに真空管アンプのマイルドな歪みサウンドです。トーンコントロールはTrebleとBassが独立して調整できる的確で色の少ないEQ回路です。ドンシャリからぶっ太いサウンドまで自由自在なイコライジングは本機の大きな魅力です。凄く歪むペダルではないのですが、この素晴らしいチューブっぽいサウンドは、ロックンロールのバッキングトラックには最高だと思います。

Germ Drive 技術解説

2種類のダイオード(ゲルマニウムダイオードとシリコンダイオード)を使用したハイブリッド構造で非対称クリップを作り出しています。クリップまでの幅を大きめにとってあるのでピッキングによる強弱に良く反応してくれます。歪ませた後に2バンドのトーンコントロール回路が入ります。ブースト時にはピークを作るカーブだが、カットの方向ではハイカットフィルターのスロープに設計されています。倍電圧電源回路によりオーディオ的なクオリティーを伸ばしているのもEmpress Effectsらしい設計です。
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Walrus Audio / Voyager

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較ゲインはローゲイン~ミディアムで強く歪ませるペダルではないが、真空管アンプのおいしい所を濃縮したような、まとまりの良い音楽的なサウンドに思います。まずはオーバードライブとしての色気。太くマイルドで艶やか、あくまでもアンプのサウンドを底上げする事に目標を置いたような音作りは、確かにVoyagerと比較される機会の多い「KLON CENTAUR」にも共通する部分かもしれません(最初にVoyagerが脚光を浴びたのはケンタウロスにサウンドが似てるとネット上で話題になった事がきっかけだったと記憶しています。製作者のブラディ氏は否定していますが・・・)。少し癖を持たせた(この癖がVoyagerのファットなサウンドを支えている)ミドルは、今回比べたペダルに無理に当てはめればSD-1系ですが、SD-1より少しレンジが広く、表現幅ももたせてあり、更にサウンドの柔軟性やマイルドさがあると思います。またSD-1より音の輪郭がはっきりしていると感じました。手元ボリュームへの反応は最高です。歪ませ気味の設定でも手元でしぼればクリーンで甘く、スィートなサウンドにできます。ストラトのネック側のPUで手元で絞って弾くトーンは個人的に大好きで、とろける様な太いジャズっぽいサウンドです。トーンの聴き具合も良く個人的には3時くらいの設定でジャラーンとさせると気持ちいい!何人かの方にJC-120でブースターっぽく使うとまるで真空管アンプそのもののトーンになると教えてもらいましたが、かなり納得できます。Walrusの中では一番売れているペダルですが、納得のサウンドをもったセンス抜群のサウンドだと思いました。

Voyager 技術解説

低域の増幅率を下げ歪ませる帯域をコントロールしている。入力段で低域を削るが出力では伸ばしているので、低域の芯の太さを残しつつ、中高域を中心ににエッジの効いた歪が生れる。コード感もきっちり出し、ピッキングでニュアンスも付けやすいタイプの歪み方。ゲルマニウムダイオードでクリップさせ、徐々に歪が増すような真空管っぽさを演出する。電源を倍電圧化し基本的なオーディオクオリティーを向上させている点も特筆。
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Demeter Amplification / DRV-1

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較ナチュラル!やわらかく棘のないサウンド、繊細でオーガニックな表現力。さすが「ギターサウンドの魔術師」James Demeterの作ったサウンドです。自分にとってはマイルドなイメージのBOSS SD-1のサウンドが「がさつ」に感じるほど・・。サウンドの傾向自体はBOSS BD-2系の真空管のサチュレーションを持ったサウンドだが、BD-2のピーキーで少しエッジの立つサウンドをよりナチュラルにマイルドに味付けしたように感じます。またBD-2よりピッキングの強弱を付けやすく表現力の幅が広い。真空管アンプの設計を長年手がけてきたJames Demeterならではのサウンドメイク。チューブアンプの全てを知り尽くしたDemeterだから追求できた歪みサウンドだといえそうです。ゲインはBOSS SD-1よりもずっと歪ませることができるがBD-2のようなディストーションに近いほどは歪まない。歪みを強くすると<粘りのある>真空管アンプそのもののサウンドのようになる。手元ボリュームへの反応もピッキングの強弱のニュアンスも共に素晴らしいレベル。真空管アンプを鳴らしてるような手ごたえがある。サイドにあるフリップスイッチはキャラクターを豹変させる。LOOSEポジションではよりオープンな真空管的なサチュレーション成分の多いサウンドになる。例えばコードやリフを引っ掛けるようなスローテンポのロックンロールにぴったりだ。TIGHTポジションではよりしっかりした引き締まったトーンが魅力。サウンドが前にしっかり出てきて喰らいつくようなサウンドのレスポンスが弾いていてとても気持ちがいい!

DRV-1 技術解説

歪を得るクリッピング素子を切り替え2種類のキャラクターを持つ。Tightではシリコンダイオード、Looseではゲルマニウムダイオード。スピーカーの飽和感にも似た奇数次倍音が多く見られる。SD-1は帯域を制限してキャラクターを作っているが、DRV-1はTONE=MAX位置でほぼフラットレスポンス、帯域が広く出てくる倍音も豊富、潔く歪そのもので勝負している漢のオーバードライブ。
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Walrus Audio / Mayflower

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較驚くぐらいにトランスペアレンツ。原音、つまりギター自体のサウンドやケーブルの音質をそのまま保ったまま、一切のキャラクターを変えずに歪ませてくれる印象です。まず素晴らしいと思うのは音のリアルさ。余計なカラーが乗らないからだと思いますが、サウンドのアタックや減衰、粒立ちが見えるようでぞくぞくするカッコよさが好きです。もちろん今回試したペダルの中では一番抜けてくる音質のオーバードライブです。ハイとローが独立したEQは、先にレビューしたEmpressのペダルよりも、高域のジャラーンとした気持ちいい部分、低域のゴンゴンと5,6弦をミュートして弾いたときのオーガニックさが音楽的に感じます。Empressは的確かつ正確なイコライザー、このMayflowerはあくまで音楽的なEQカーブになっている印象です。実はこのEQで少し高域も低域もプッシュして強調したサウンドがとにかく個人的にツボで、気持ちよすぎるサウンドになります。アンサンブルの中で弾いてみてもサウンドの輪郭が際立っているので埋もれず、それほど音量をあげなくてもきちんとモニターできる存在感を持っています。これは凄いことです。BOSS SD-1に戻してみるとSD-1が愕然とするぐらいナローレンジでこもったようなサウンドかということを実感します!ゲインは決して破綻せずナチュラルさを保ったままあがっていきます。強く歪ませてコードを弾いたときに1~6弦まで個々の音の存在感がブレなく伝わりコード感が潰れないのも凄いです。手元ボリュームへの反応も最高でボリュームを絞れば甘くなります。BD-2と比較しても圧倒的に強弱やピッキングのニュアンスを付けやすく、楽器が変わったくらい表現幅が広がると思います。ほぼ歪ませずにブースターとしてDemeterの真空管アンプをプッシュしてみるとこのサウンドもまた最高で、アンプのキャラクターを壊すことなくブーストしてくれます。同社のVoyagerは良い意味のクセを持ち合わせていてそれが人気の秘密なわけですが、これだけトランスペアレンツに作られていることはこれも大きな個性です。実は個人的にはここ数十年で一番気に入った歪みペダルであります。レンジが広いのに全然嫌味にならず甘くだしたいところはちゃんと甘くなる所が自分好みです。

Mayflower 技術解説

レイセオンRC4558を採用し力強い存在感を出している。こちらも低域の増幅率を下げ、中高域を中心に歪を得るため強く歪ませてもコード感がしっかり残る。SD-1と同じようにフィードバックループ内に配したシリコンダイオードによりクリップさせているがこちらは非対称とはしていない、その代り抵抗器により歪の角を取りマイルドに仕上げている。この計算された扱いやすさはブースターとしても活かされます。
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Manlay Sound / The Sound

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較スペインのレコーディングアーティストでもあり、熱狂的なファズ研究化でもあるRoman氏が創りあげた「オリジナル」のオーバードライブサウンド。彼の回顧主義を反映してか徹底的に1960年代後半を思わせるようなサウンドに仕上がっている。このペダルを最初に試したときから個人的にはどうしてもThe WhoのLive At Leedsのピート・タウンゼントのギターサウンドを思い出してしまう。実際にはGibson SG にHiwattアンプにUnivox Super Fuzzという組合わせだったようだが、ゲインをあげたサウンドは正にこのレコードの雰囲気がある。あとそれほどSNは良くなくて、さらにつまみを回すとジャリジャリと音がしたり・・・そんな部分も含めて大好きになれる納得のサウンドだと思う。第一印象はやはり「ロック!」。SD-1とはサウンドの太さが全然違う。BD-2っぽいエッジのある歪みがあるがよりミドル帯域がクリーミィでカッコいい。また音がバーン!と前に出てきてコード感も明瞭。コードをジャーンと弾いてみるとサスティーンの残り方がカッコいい。低域がジャワーっと消際まで残るイメージ。低域に迫力。高域の古臭い塵っぽさも愛おしい。手元ボリュームの反応もすこぶる良く、ピッキングは強くはじいたときの強いサチュレーションがチューブアンプっぽくて最高。トーンは上げていくとマーシャルっぽいぎらつき感がある。回顧主義者でロックな方には間違いなく気に入ってもらえる個性的なオーバードライブ。CHANDLER LIMITEDのギターアンプGAV19Tにも通ずるところがあるかも。好きです。

The Sound 技術解説

MOS-FETを採用したディスクリート構成。増幅特性が真空管と似ているためMOS-FETを採用したペダルも増えている。波形を見ると、控えめなゲイン設定では「RED IRON AMPSのBUFFER 2」で目にした波形と酷似している、歪を得るために設計されているので周波数レスポンスを整理してあるのでBUFFER 2の代わりとはいかないがナチュラルな歪でカラーリングできる。歪を深くすると荒くてまろやか、減衰とともに倍音が変化していく動的な歪でかっこいい。歪量を決めるLOUDNESS 1は同時にバイアスポイントも変更しているため動かした時にはノイズが出ます。
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Mid-Fi Electronics / Overdrive

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較グニャグニャにピッチベンドしたり、あり得ないほどノイズ音が持続したりと、変態系のペダルを多く設計しRed Hot Chilli PeppersのJoshをはじめ熱狂的ファンも多いMid-Fiだが、設計者のDougもまた素晴らしいミュージシャンでもある。彼は自分の音楽では徹底的にサイケデリックサウンドを追求していて、そのギターサウンドは彼自身が設計した真空管ギターアンプで作られている。その彼の愛用のギターアンプのサウンドをペダル化したのがこのOverdriveで、このサウンドに最近私はやられっぱなしでとても気にいいている(ここにも書きました)。独特の存在感がある"いなたい"サウンド。強引にBOSSと比較すればSD-1系だがもっとナチュラルな真空管アンプサウンド。ぬくもり感、温かみ、ぬくもり、そして湿り気もある感受性の高いサウンド。やはり古臭くサイケデリック。弦の震える感じがBuzzyでリアル。ゲインはあげていくとだんだんファズっぽくなってサイケ感が増す。特筆すべきは手元ボリュームへの反応のよさで、結構歪ませた設定にしても手元で絞るだけでほぼクリーンなサウンドまで持っていける。表現力はかなり高く、指でブルースを弾くとたまらない。強く弦を引っ張ると真空管のような飽和感があり小さなフェンダーアンプのようなサウンド。これは回路に光学式の特殊な回路があるようでその効果が大きいようです。とてもピッキングの反応が良く素晴らしいレスポンス。たまらないサウンド。

overdrive 技術解説

トランジスタ3石でゲインを稼いでの歪。ゲインが低いまたは弱く弾けば奇数次倍音の割合が主で抜けの良いクリーン~クランチサウンド。フルドライブでは非対称波形となり非常にマイルド、倍音構成がダイナミックに変化する。オプト素子によりコンプ感が追加される、かなりエフェクティブな効果なので箱を開けて好みに合わせて調整しても良いかもしれない。今までのMid-Fi Electronics製品からは想像できない感じ、良い意味で裏切られました。
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CHANDLER LIMITED / Germanium Drive

オーバードライブ エフェクター おすすめ 比較今回比較した中では別格のサウンドというかオーバードライブとしてくくってしまってはいけないような感じ?オーディオ的クオリティが極めて高い。倍音の変化の仕方がモードポジションによってまったく変わり、歪みやゲインも様々なバリエーションが作れる。良い意味で硬質なサウンドで音の張り出し感やパンチ感が半端ない。9V×2で駆動する18V駆動でサウンドイメージのスケールが違う。ブースター的な使い方が素晴らしく、ビンテージレコーディング機器のようなリッチな倍音を付加することができて、サウンドが一気にセクシーになる。エレクトリックベースにも最高で個人的にはベースで使うほうが好きだった。もちろんつまみを10~11(!)あたりに持っていくとガツンと歪んでかなり存在感のあるロックサウンドになる。僕のようなへなちょこギタリストより、もっとマッチョで骨太なロックギターに最高だと思う。またアルペジオなどを弾くとその分離の良さ、一音一音の粒立ちが素晴らしく気持ちよくなってくる。僕なら真空管アンプの前段でかけっぱなしでブースター的に使用するだろう。アンプをプッシュすることで太くオーディオ的に優れた倍音成分がギターサウンドに加わりゴージャスなサウンドになる。smooth、bright、very brightの3ポジションの高域のエンハンスメントスイッチでギターサウンドのトップエンドの明るさを、MID、HIGH, FULLの3ポジションのブーストレンジでミッドブースト、トレブルブースト的な使い方ができるのも良い。オーバードライブとして使用するのも素晴らしいが、サウンド全体のクオリティを底上げするようなブースターとして使うのもまた良いだろう。ちなみにゲルマニウム・オペアンプは接続してしばらくしないと良い音にならない、寒すぎても少し固い音になってしまうので取扱いにひと手間かける必要がある。9V駆動のLittle Devil Colored Boostの方が普通のギタリストには扱いやすいかも(2台の比較はこちらに書きました)。

Germanium Drive 技術解説

ゲルマニウムアンプモジュールを搭載しドライブさせて歪を得ている。Feedbackスイッチにより増幅率と同時にバイアスポイントを動かし(そのため切替時のノイズは大きめだが)トーンのキャラクターを変化させている。バイアスポイントが動くので歪方も様々に変化する。「Highs」スイッチは入力インピーダンスに働きかけPUとシールドで作られる共振ポイントをシフトさせている。周波数特性が整理されているのでブースターとしての使用もお薦めです。
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