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GRACE design m920、Wes Audio _DIONE導入事例:レコーディングエンジニア 宮﨑 洋一 様

GRACE design m920、Wes Audio _DIONE導入事例 レコーディングエンジニア 宮﨑 洋一 様

★今回はGRACE design m920Wes Audio _DIONEを導入いただきまして、ありがとうございます。それぞれの導入のきっかけや活用方法、導入後の効果についてお伺いしたいと思います。今回はスタジオとご自宅の作業場にお邪魔させていただきましたが、ご自宅ではどのような作業をされているのでしょうか。またお使いのモニタースピーカーについてもお聞かせください。

宮﨑 洋一 様(以下、M: )自宅では主にエディットとミックスの作業をしています。 モニタースピーカーは、以前はニアフィールドにBAREFOOT MM35をスタジオで使っていましたが、自宅で作業をするようになってからは、MM35より小さいサイズのPRESONUS Sceptreを導入して、ミックスバランスのチェック用にラジカセのSONY ZS-F1 PRESHも使っています。ヘッドホンは作業では殆ど使っていないです。

★m920を導入されようとしたきっかけをお聞かせください。

M: 今まで自宅では自作の電子ボリュームをモニターコントローラーとして使っていましたが、使い勝手に不満を感じていたので、自分の用途に合う市販のものがあれば導入しようと思っていました。 モニターコントローラーは各社から販売されていますが、どれもスタジオ仕様のものが多くて、自宅では使わないトークバックの機能が付いていたり、機能的な分高価だったり、安価な製品では、肝心な音が物足りなくて少し使いにくく感じていました。 今までにm905を使っているスタジオで作業することがありましたが、印象は良かったですね。ただ自宅では使わない機能も多かったので、m905は候補にはなりませんでしたが、お世話になっている販売店に行った時に、m920が展示されているのを見つけたんです。m920はライン出力が2系統付いていて、2種類のスピーカーを別々にボリュームのコントロールができて、モニターコントローラーとして使える仕様だったことを知って、まず自宅で試してみたいと思いました。

★実際に試されて、印象はいかがでしたか?

M: とても聴きやすかったですね。出音はm905とはまた少し違う印象でしたが、自分にはm920の方が確認しやすい音なのかもしれないです。 今までスタジオにある大型コンソールのモニターセクションを使って作業をする時は、ボリュームを上げた時にパンチのあるサウンドになる傾向があったので、逆にボリュームを上げ過ぎて良く聴こえ過ぎないように使っていましたが、自宅ではそういうモニターの聴こえ方にはしたくなくて、どの音量でもフラットに聴こえるようにしたかったんです。m920はその点でも希望通りの印象でした。

★m920の導入後、作業されて感じられたことはございますか?

M: 導入してからは、モニター環境がかなり改善されましたね。大満足です。それまではスピーカーの位置や置き方を部屋の中で変えてみたりしながら調整していましたが、まだ詰め切れなかったところでm920を導入して、納得できる環境になり、作業もしやすくなりました。

★ありがとうございます。

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★続いてWes Audio _DIONEについてお伺いしたいのですが、これまでミックスの作業する際にアウトボードは使われていたのでしょうか?

M: アウトボードのあるスタジオでミックスをする場合でも、使うことは殆どありませんでした。以前に所有しているMANLEY ELOPをトータルコンプとして使ったことはありましたが、リコールを前提に作業を進める必要があるので、殆ど使っていません。

★今回、_DIONEを導入していただいた理由は?

M: トータルに使えるハードウェアのコンプレッサーで良いものがあれば欲しいとは思っていたのですが、リコールを考えるとその時はベストな選択肢は無かったんです。SMART RESEARCH C2をトータルコンプに使っているエンジニアの方もいて、その方はちゃんとメモしてリコールを取っているようなのですが、自分はメモでのリコールは不完全に感じていたので、使いたくなかったんです。そんな時にWes Audioの_DIONEを知ったんです。

★_DIONEについて、どのような印象を持ちましたか?

M: Pro Tools上でプラグインのようにリコールやオートメーションに対応していることを知って、本当に?と思ってWEBで詳しく調べはじめたら、ハードウェアのコンプレッサーなのに今までにない至れり尽くせりな機能を持っていることが分かったんです。 あと_DIONEを見た時に、SSLタイプのバスコンプの中でもデザインが良く感じましたね。初めて見た時、なぜロータリーノブの目盛りが全部LEDなのだろうと思いましたが、調べてみてタッチセンスに対応したフィジカルコントローラーであることがわかりました。

★_DIONEもデモ機をお試しいただいてから導入していただきましたが、印象はいかがでしたか?

M: コンプの基本的な設定については使い慣れた仕様でしたが、サイドチェインフィルターとTHDの機能は実際に使ってみて、使い勝手がすごく良く感じました。 今までのコンソールのバスコンプには付いていなかった機能なので、低域のパンチ感を出したい時には低域にEQを掛けていたんですけど、少し掛け過ぎるとブリブリして違和感が出てきてしまったりして、音作りが難しいんです。 _DIONEのサイドチェインフィルターを使うと、全体のバランスを崩さずにキックのトランジェントが鋭くなり存在感が出てきて、低域にパンチが出て使いやすかったんです。T2のポジションが今のお気に入りですが、90Hzで使うこともあります。USBからトリガー信号を送ることができるのも便利だと思いました。

★THDの機能についてはいかがでしたか?

M: THDもとても気に入っています。音に厚みが出てきますね。 試しにTHDをONにして、1kHzを通してアナライザーを見たら、MIDポジションでは2kHzが少し飛び出ていたんですね。HIGHにすると、今度は4kHzが上がったんです。そうやって倍音を加えて、音に厚みを加えるんだと再確認しました。 このサイドチェインとTHDの2つの機能は、今までのバスコンプには無かったのでとても重宝しています。 あと、Dry/Wetも便利な機能ですよね。でも今のところ通常は100パーセントWetにして使っています。

★リコールやオートメーションに対応した点について、感じられたことはございますか?

M: ライブミックスの作業では、曲ごとだけでなく曲中でもコンプの設定を変えたりしていましたが、そういう時にオートメーションを使えるのはありがたいですね。プラグインのバスコンプを使う場合にはできましたが、アナログのコンプレッサーを使う場合には、リアルタイムに正確に設定を替えることは不可能でした。_DIONEを使うことで、それができるようになりました。 シングル曲のミックスでも、例えば間奏に入る時にレベルを変えたりとか、曲中でコンプの掛かり具合を変えたい場合にも便利ですよね。プラグインと同じ使い方でコントロールできるのは本当に便利だと思います。 ロータリーノブは全てタッチセンスのエンコーダーなので、フィジカルコントロールのオートメーションに対応した作りなんですよね。ライブミックスのMC中に少しずつコンプの掛かり具合を緩くしたり、そんな使い方もリアルタイムでコントロールできるのは便利かもしれないです。 これから_DIONEのオートメーションも積極的に使おうと思います。_MIMASも同じようにオートメーションできますよね。本当に画期的だと思います。

★実際に導入されて、新たに実感された点はございますか?

M: Pro Tools内で音作りをするようになってからは、アナログ機材に拘らなくても綺麗な音で録れるのかもしれないですが、_DIONEを使うようになって、音楽的な美味しい部分を作り出すには、こういうアナログ機材で質感を加えて作ることが大切であることを改めて感じました。 知り合いのエンジニアも、_DIONEにはサイドチェインが付いていたり、Pro Toolsからプラグインのようにリコールやコントロールができることにとても興味を持っていましたね。自分も_DIONEの良さを知ってしまってからは、以前の環境には戻れなくなりました。

★最後にWes Audio製品で他に気になる製品はございますか?

M: DUE-PREは気になりますね。入力と出力にPADがついていることで、さきほど話したTHDの効果を作れそうだし、面白そうな製品だと思っています。ポーランド製のプロオーディオメーカーはあまり聞かないですよね。Wes Audioの製品は丁寧で良い作りをしていると思います。ヨーロッパの音楽文化のレベルや意識の高さも改めて感じました。

★m920と_DIONEは、これから長くご愛用いただけたら嬉しいです。本日はありがとうございました。

 

・GRACE design m920 http://umbrella-company.jp/gracedesign-m920.html ・WesAudio _DIONE http://umbrella-company.jp/wesaudio_dione.html

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