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アコギピックアップ、マイク

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DPA d:vote VO4099G はDPA社のミニチュアマイクホン4099とアコースティックギター用の取り付けアタッチメントをセットにした製品です。

アコースティックギター専用のマイク以外にもバイオリオン、木管楽器、ウッドベース、ピアノ、パーカッションなど様々な楽器に直接取り付けが可能なアタッチメントとのセットが発売されており、さらに各楽器に最適な感度にチューニングもされているので最高のパフォーマンスを引き出すことが可能です。

今回は特にアコースティックギターのサウンド増幅のためのDPA d:vote VO4099Gマイクロホン にスポットをあてて紹介してみようと思います。

製品は弊社オンラインストア GIZMO-MUSICでお買い求めいただけます。

アコギ用ピックアップの悩み

アコースティックギタリストにとってライブパフォーマンスにおける拡声とピックアップの方法は間違いなく悩ましい問題です。

私もずいぶんと色々なものを試してみました。マグネットピックアップやピエゾピックアップ、コンタクトピックアップ。エンドピンで固定してアコースティックギターの内部に仕込むグースネックマイクなど。さらにそれらの様々なピックアップ用のプリアンプシステム・・・。結果はどれも「妥協して使用せざるをえない」サウンドにとどまり、豊かなアコースティックギターの鳴りや倍音の響き、弦の振動、ピッキングの微妙なニュアンスを伝えてくれるものではありませんでした。マグネットとピエゾを混ぜたり、ピエゾとマイクをブレンドしたり・・・それぞれの欠点を補うような組合せや補正をいくらしても結局は「生の音」には到底かなわない。それなら一番簡単でサウンドの事など気にしないでSunriseのマグネットピックアップのみ、とかピエゾを直でPAのダイレクトボックスに送って後は運任せ、みたいな方法になってしまった時期もありました。

piezo

一度ニールヤングのライブで(アメリカの競技場)Southern Manの弾き語りを聴いたときにはとても驚きました。オールド・マーティンの豊かな響きが本当にきちんと拡声(ピックアップ)されているように聴こえました。後で調べてみると、ニール・ヤングのアコースティックギターのピックアップシステムは「FRAP」と呼ばれるピエゾピックアップのシステムで、高音側の3本と低域側の3本を2個のピックアップシステムで拾っている特別なものとのこと。PAに送られた信号は高域と低域で異なるイコライジングがなされバランスよくPAされているのだと思います。とにかくこのFRAPを仕込むには一流のサウンド技術者が2-3日かけてその都度ピックアップとサウンドを調整するらしいです。素晴らしいテックチームを配したプロフェッショナルミュージシャンならきっと私が感動したあのSouthern Manのようなアコギサウンドをライブで再現できるのでしょうが、やはり自分には無理・・・。

tc30k

でもこれはライブの時の話で、自宅で録音をする場合にはEarthworksのTC30K mpという、全く色付けがなく、驚異的なスピード感とレスポンスをもつ無指向性のコンデンサーマイクロホンに出会い、本当に満足いくサウンドでアコースティックギターをマイキングして録音できるようになりました。特にブースのない普通の部屋なのでTC30kのヘッドをあわせ、かなりオンマイクでステレオでマイク録音します。無指向マイクでは余りやらない方法だとは思いますが、このマイクでは近接効果がまったく起こらずブーミーに低域が持ち上がったりしないので自然な感じに録音できます。部屋の響きがホールのように素晴しければよいのですが、部屋の鳴りは全く良いとはいえないのでこの方法で録音したトラックには軽くリバーブを足してあげます。かなりリアルで理想的なアコースティックギターの音質でマイク録音できます。

ではライブの時にはTC30k mpを持っていくかといえば、もちろんそれはしません。それ以前に無指向性はライブハウスではハウリングの問題から普通は使えませんし・・。小屋のPAさんが常連の知っている人とかなら良いのだと思いますが、プロフェッショナルなPAさんに「アコギにはこのマイクを使って、マイクプリはコレを使って、コンプは余りかけないで・・」などと注文するのは言いにくいし、場合によってはとても嫌な顔さえされるときもあります。ましてや自分のソロコンサートでもない限りなかなか難しいですよね。

ですから正しくマイキングされたアコースティックギターのサウンドが最高だということは判っているのですが、ライブになればいろいろ妥協するしかないのかな、と考えていました。

アコギの外側にとりつけるマイクロホン

ある日音楽専門のケーブルテレビを何気なく見ていたら James Taylorが出演していて、彼はアコースティックギターのボディに小型のマイクロホンを取り付け、素晴らしいフィンガーピッキングのサウンドを聞かせていました。昔からアコースティックギターに仕込むマイクロホンはありましたが、私の持っていたものはボディの中に仕込んで、アコースティックギターのサウンドホールの内側からマイキングするものでサウンドは全然理想にはならなくて諦めてしまいました。今考えればボディの中の音は全くアコギのサウンドではないので、あそこにマイキングするのはちょっと苦しいと思います。アコースティックギターのサウンドは弦が震えてネックやボディ全体の振動がサウンドホール、そしてトップ・バックの板全体から響く総合的な音色です。サウンドホールの中の音とは全然違います。James Taylorのマイクは特殊なアタッチメントでギター本体の右下からグースネックでサウンドホールとブリッジの間の一弦側を狙っていました。

guitar

実はいくつかギターのサイドウッドに直接取り付けることができる小型のアコースティックギターで使用できるコンデンサーマイクロホンを知っていましたが、どれもサウンド的には(失礼な言い方かもしれないのですが)ライブハウスでよく使われるダイナミックマイクのSM57とあまり変わらない、または嫌味な高域が目立ちSM57のほうが良いサウンドにも聴こえました(SM57は本当に良いマイクですよ!)。

マイクロホンは録音スタジオでも様々な種類を揃え楽曲や伝えたいイメージによって使用するマイク(またはそれを増幅するマイクプリアンプ)をチョイスしています。どんなコンデンサーマイクでも最高にナチュラルなサウンドになるとうわけではありません。マイクメーカーによって、または種類によって全く音は異なります。コンデンサーマイクだからといって素晴らしいサウンドでアコースティックギターを増幅できるというわけではありません。

マイクをサウンドホールの内側に設置するのは・・・

また各社からピエゾやマグネットPUに、小型のマイクをシステム化した製品も多く発売されていますが、大半がアコースティックギターのボディの内部にマイクを仕込むもの。ちょうどサウンドホールの中からマイキングする形です。これは正直おかしいと思います。アコースティックギターのサウンドというのはサウンドホールからでてくる外側の音に、ボディやサイド、バックの板がしっかり振動した総合的な音色です。サウンドホールの中で音が反響しあった整理されていない音響をマイクで拾っても、それだけでは良い音にはならないと思います。

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技術解説:

アコースティックギターは弦を弾きその振動がボディー・ネックを共鳴させ音を発する楽器です。その収音は、弦の音、ネックの音、そしてボディーの音のバランスが重要でマイキングには苦労します。音響学的に見ると、その箱状のボディーはヘルムホルツ共鳴器を構成しており、箱の形状や容量、サウンドホールの位置や大きさで決まる共振周波数を持っています。

ヘルムホルツ共鳴器の特徴として開孔部であるサウンドホール部分では空気振動が共振周波数でピークとなり低~中域に大きな山を作ります。そのようなサウンドホールの内側にマイクを置くという事は普段耳にするギターの音とは大きく異なり、イメージ通りの収音はひじょうに難しいです。

DPA4099Gを使えば取り付け位置や仕込み角度に自由度が高く教科書に載っているような定番のマイクキングポジションにもセッティング出来ますので弦の音、ネックの音、ボディーの音のバランスがとれたギターサウンドを収音する事が可能です。ボディーに取り付ける事で、そのマイキングがKeepされるのでライブ収音ではマイキングを気にする事ことなく演奏に集中でき、ノリや感情、ライブならではのパフォーマンスも犠牲にしません、まさに最適なマイクロホンです。

DPA d:vote VO4099G のサウンドは最もアコギ向け

dpa4099-ag-bigDPAマイクロホンはどんなエンジニアさんに聴いても「アコースティックを捕らえるには最高のマイク」だと答えるほど有名なマイクメーカーです。クラシックの録音は一般的に吊マイクといってホールの天井から吊り下げた(2本、または4本)のステレオマイクで収録しますが、この用途で最も使用されているのがDPA社の4006というマイクロホンです。4006は他のマイクを圧倒する透明さと繊細な表現力を持っており、空間(アコースティック)の詳細まで明確に描き出すことのできる最高品位のマイクロホンです。多くのバランスエンジニアは数多いマイクの中から、この4006を厳しい表現力が求められるクラシックの生楽器の音、ホールの響きの収録のために選択します。結局4006が一番素晴らしいと皆口をそろえて言うほど生楽器を録音するには最適なマイクロホンです。

そんなDPAから発売されている d:vote VO4099G はアコースティックギターの響きを増幅するには最適なマイクロホンです。

DPA社のミニチュアマイクに対する技術力は素晴らしく、先にあげた4006の代わりに同社のミニチュアマイクをステレオで使用してクラシックのシビアなホール音響を録音したソースを聞かせていただいた事もありましたが、その全く隙のないサウンドに驚いたこともあります。DPA d:vote VO4099G はその優れた技術を楽器に取り付けられるミニチュアマイクに応用し、ライブサウンドでも安心して使えるようスーパーカーディオイド(超指向性)のタイプになっています。これでライブパフォーマンス時のハウリングの心配が軽減されます。

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DPA d:vote VO4099G にはアコースティックギター用の取り付けクリップGC4099が付属しており、簡単にギターへの装着と取り外しができます。MicroDot→XLR3ピン変換コネクターが付属しているので、一般的なXLRのマイクケーブルでマイクプリアンプやミキサーに接続し、48Vファンタム電源で作動させます。

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DPA d:vote VO4099G では背面の指向性は落していますが、前面はフラットな特性であることが判ります。個々のアコースティックギターがもつ鳴りそのものを誇張なく描き出し、自分が普段(弾きながら)聴いているようなサウンドでアウトプットできます。

マイクプリアンプを変えるとさらに別次元のサウンドに!

実際のDPA d:vote VO4099G の使用には48Vファンタム電源が供給できるミキサーやマイクプリが必要です。他のピックアップとのシステムアップを実現するにはサウンドをミックスできる小型のミキサーが良いでしょう。しかしレコーディング機材の販売業者である弊社のお勧めは、本格的な単体のマイクプリアンプです。DPA d:vote VO4099G マイクの素晴らしいサウンドを100%引き出し、余計な色付けをせず、生で聞こえるがままの音質で増幅します。つまりあなたの育てたアコースティックギターの木の響きやタッチを余すことなく観客に届けるということです。

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GRACE designのm101はプロフェッショナル録音機材の1chマイクプリアンプです。マイクの微弱信号を増幅しラインレベルで出力します。このマイクプリアンプも安いものからハイエンドなものまで様々種類があり、増幅の回路的な方法も個々に異なります、ここではトランスレス方式の色付けがなく、スピード感がありクリアーなアンプとしてm101を推奨してみました。スピード感はフィンガーピッキングなどの一音一音がはっきりと伝わってくる(音の立ち上がりが明瞭でぼやけない)のでアコースティックギターには重要な要素だと思います同じ傾向のサウンドであるDPA d:vote VO4099G にはもちろん相性ばっちりです。

ぜひこの素晴らしいDPA d:vote VO4099G でアコギサウンドをピックアップしたサウンドをお試しください。もしお手持ちのオーディオインターフェースやミキサーに付属のマイクプリアンプがあれば最初はそれでお試しいただき、そのあともっとハイクラスなアコギサウンドを目指したいのならGRACE designのm101を導入されるのも良いかと思います。

 

↑Stingもユーザーだそうです。

↑Stingもユーザーだそうです。

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