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バッファー,ギター,効果,解説

バッファーって、一番シンプルで地味ながら確実に効果がある。で、何なの?って聞くと「インピーダンスの変換を行うアンプである」ってのがよくある説明、間違ってないがよく分かりません。いきなりモヤモヤです、「インピーダンス」この言葉がモヤモヤの原因な気がします。インピーダンスを使わない説明を考えてみましょう。

「情報を正確に聞きとり、聞き間違えがないように次の人にはっきりと伝える。」この忠実なる伝言師がバッファーさんです。ん?伝言師⁇イマイチ・・・。早くも挫折しそうです。

では、
超シンプルに「バッファーはアンプ回路です。」
ちょっと補足「バッファーは入力されたシグナルを、次の機器へ伝えるアンプ回路です。」
もう少し補足「バッファーは入力されたシグナルをそのまま正確に受けとり、次の機器へそのまま正確にはっきりと伝えるアンプ回路です。」
電気的な説明も少したすと「バッファーは入力されたシグナルを変化させないように電圧情報を正確に読みとり、次の機器へ正確にかつ飛び込みノイズやケーブルの影響で変化しないシグナル、伝送に適した強いシグナルで伝えるアンプ回路です。」
と言う事で、簡潔な説明が見えてきました、
「バッファーは入力シグナル変化させずに受け取り、変化しない強いシグナルを出力するアンプ回路です。」
どうでしょう?楽器のシグナルを正確に計測するセンサーのような入力と、そのシグナルを正確に次の機器へ伝送する事に特化した出力の、2つの役割を兼ね備えた動作をすることがお分かりいただけたと思います。

バッファーが何者か、なんとなく見えてきましたか?どうでしょう?
では、実際にバッファーがどんな働きをするのか?確かめていきたいと思います。

エレキギターやエレキベースのPUのシグナルは貧弱です。貧弱なので様々な条件により簡単に変化してしまいます。楽器さんが波形を鉛筆で描いて出力するとします。貧弱なので様々な条件により簡単に変化してしまいます。楽器さんは貧弱なので筆圧が極端に弱いんです。次の機器の入力にある紙が、メモパッドみたいな物だと、その弱い筆圧のため波形をはっきり描くことができません。しかし、弱い筆圧でも固い机、ガラステーブルに直接紙を置いて、筆圧をロスなく受け止めれば、はっきりと波形を描くことができます。下敷きとなるものが固くなったので、楽器さんは今までよりもはっきりと波形を書くことができるようになりました。波形がはっきり描けるばかりか、楽器さんの手首にかかる負担の度合いも少なくなり楽に書けるようにもなりました。

  

impedance01

そして、今度はそれを次の機器に出力する、つまりバッファーさんが波形を書き出す訳ですが、バッファーさんは雑誌の上でもはっきりと描く事ができます。楽器の出力が鉛筆だとしたら、バッファーの出力は油性ネームペン。鉛筆ではある程度硬い下敷きじゃなければちゃんと書く事ができないけど、油性ペンなら机でもカーペットでも書けますね。机でもメモ帳でもカーペットの上でも変わらずはっきりと同じように波形を描く事ができます。

impedance02

総合すると、バッファーさんはガラステーブルの入力と、油性ペンを出力に備えた、波形のコピー番長である。・・・ガラステーブルと油性ペンの番長?何のこっちゃよく分からないですね。そろそろ出しても良いですか?「インピーダンス」

机、ガラステーブル、メモパッド、カーペットなど波形を描く時に必要な台となる物が入力インピーダンスです。硬いほど入力インピーダンスが高く、柔らかいカーペットは入力インピーダンスが低い。
鉛筆や油性ペンと表したのが出力インピーダンスです。鉛筆は出力インピーダンスが高い、油性ペンは出力インピーダンスが低いという事になります。
鉛筆(高い出力インピーダンス)にはそれに見合った硬い台(高い入力インピーダンス)が必要な訳がイメージできると思います。

「ロー出し/ハイ受け」耳にした事がある方もいると思いますが、これに当てはめてみると、
油性ペンとガラステーブルの組み合わせとなりますので、波形を描くのになんの支障もありません。はっきりと波形を書き伝える事ができます。
入力インピーダンスが高いギターアンプの入力端子なら、出力インピーダンスが高いギターの出力でも、出力インピーダンスが低いバッファーの出力でも、音量もトーンもばっちりです。

逆に「ハイ出し/ロー受け」だと、
鉛筆とカーペットの組み合わせ、まともに描く事がができません。力を入れる事ができないので薄~く、ぼや~っとした筆跡でしか書けません。音でも同じで、ギターの出力をインピーダンスが低いミキサーのマイク入力に繋いだ場合、信号レベルが小さく、高域が落ちぼやけた音になってしまいます。

で、「インピーダンス」を使って解説する。
前がどんな出力インピーダンスであろうとシグナルを変化させる事なく受け、後ろがどんな入力インピーダンスでも変化する事のないのシグナルを出力する事ができる。つまりバッファーは如何なる場合でも「ロー出し/ハイ受け」が成り立つように高い入力インピーダンスと低い出力インピーダンスである。そして自分自身が「ハイ受け/ロー出し」を行うことで受け側/送り側それぞれのストレスを無くす、これがインピーダンス変換器たる所以。バッファーさんはなかなか凄いやつだと思います。

そんな凄いバッファーのよく言われている効果について検証・考察してみたいと思います。

・バッファーを使うと音がはっきりする
それはロス無くシグナルを受け止め、ロス無く出力できるから。それまでのバッファーを使わない時の方が高域のロスがあって、バッファーを使うとロスが無くなったという違い。はっきりさせるために高域をブーストしているとか、シグナルの加工をしているのではない。

・エフェクトのノリが良い
エフェクトの前段階でロスしたトーンであれば、その音にエフェクトが掛かるのでそれなりですが、ロス無くエフェクトに入力できれば、その分にもしっかりエフェクトが作用します。結果、情報量の多い出力が得られ、エフェクトのノリという意味では良くなる傾向が確認できます。

・バッファーを使うとノイズに強くなる
バッファーの出力はノイズを拾いにくくなります。出力部分がシグナルを変化させない様に頑張ってくれます、ノイズが乗ろうとしても乗る余地がありません。入力インピーダンスが高いのでシグナルレベルにロスがありません、シグナルレベルが低下しないと言う事でS/N比のS(シグナル)を大きくキープできますので、その分有利になってきます。


・バッファーは楽器直後でないと意味がない?

いいえ、どこに使っても効果はあります。入力部のロス無く受けるという作用の効果が大きく感じられるのは楽器直後ですが、バッファーは出力部も良い仕事をしてくれます。変化させない強いシグナルを送り出す、これはペダルボードの最後、アンプまでの長い引き回しになるラインでとても有効です。シールドケーブルのキャパシタンスに対しても負けない様に頑張ってくれますし、飛び込みノイズも拾いにくくなります。個人的にはラストに置くこの使い方はとてもおすすめです。

・アクティブタイプのギター/ベースには必要ない?
アクティブタイプはローインピーダンスとか言われますが実際のところ数kΩから数十kΩ程度です、パッシブタイプと比較してローインピーダンスなだけ。数値的にはまだまだハイインピーダンスですので、楽器直後に使う場合も有益な効果を実感いただけるはずです。

と、一般的なバッファーの解説はここらへんまでですが、ノってきたのでもっと深く行きましょうか!

ガラステーブルの方が固いので筆圧のロスがなくシャープな線が描けますが、木の机の方が書きやすい、しっくりくるなんてことももちろんあります。
 
パッシブサーキットのギターやベースはパッシブPUのコイルのインダクタンスとシールドケーブルのキャシタンスにより共振という電気的な現象を起こし、中域にピークを作ります。この共振があるからギター/ベースらしくもあり、キャラクター、クセとなり、トーンを決定づけています。シールドケーブルで音が変わるのはケーブルのキャパシタンスが変わり共振によるピークのでき方が変わるから(もちろん他にも要素はありますが長くなるので今は無視)。シールドケーブルと同じくらい共振に影響するのが入力インピーダンス、テーブルの硬さです。入力インピーダンスが高ければ並列に作用するキャパシタンスの影響が強くなり、入力インピーダンスが低ければ直列に作用するインダクタンスが強く影響してきます。なので、単純にロスがなければ良いという事ではないので、面白いところです。
そこに目をつけ入力インピーダンスを可変できる機種もあります(Empres buffer+)。それらのバランスをコントロールしお好みのトーンを探す事ができます。ロスが無い事が正解ではない。たとえロスがあっても良い音、カッコいい音が正解なんだと思います。

Buffer+505x278

もう一つ巷のうわさ話で、
「エフェクトペダルはONで使えば、ローインピーダンスになる」一般的にはそう言われており、間違いではありませんが、理想的なローインピーダンスとは、かけ離れているのが現実です。理想的なローインピーダンスは0Ωですが、エフェクトペダルの多くは1kΩ~数kΩ程度であり、まだまだ高い値です。クラシカルなペダルの中には数十kΩのむしろハイインピーダンスの物まで存在します。

ペダルボード内で次のペダルに渡すだけであれば、信号インピーダンスが高くても困る事はありません。しかし、ペダルボードからアンプまでの長尺区間の信号伝送ともなりますと、ケーブルの色が乗りやすく音質変化や劣化の原因となるばかりか、外的なノイズに脆弱な状態ですのでノイズ混入の要因にもなってしまいます。ペダルボードから、アンプまで見落としがちなポイントです、せっかくこだわって作り上げたペダルボードも、出口で思いのほか劣化してしまっているって事も可能性は高いです。そしてこれは伝送経路が長くなるほど大きく影響します。

シグナルをマネジメントし伝送に特化した信号状態で出力すれば、ケーブルのキャパシタンスに起因するハイ落ちや音抜けの悪さを解消し、サウンドのスピード感、音の鮮度を保ちます。同時に電磁波の飛び込みやマイクロフォニックノイズ(振動ノイズ)に対する耐性もアップし、ステージ上のトラブルのリスクを減らします。

このようなアウトプットバッファー用途で選ぶときは、サウンドはもちろんですが出力インピーダンスの数値も気にしてみると良いと思います。理想は0Ω実際にはそんなのはないのですが、500Ω程度ならまあまあ、100Ω程度であれば優秀でといったとこ。

アンブレラカンパニーでもアウトプットバッファーを開発中だとか!?伝送に特化した低出力インピーダンス設計で、その値数十Ω!劣化のないパーフェクトな伝送を可能にします!(仮)

いかがでしたでしょうか?バッファーの基本から、少しマニアックなところまで大変長々と書いてしまいました。インピーダンスのモヤモヤも少しは晴れたのではないかと思います。バッファーの事、今迄以上に愛していただけると嬉しいです。

 

*本文にも登場したEmpress Effectsのバッファーペダルは、
Buffer
Buffer+
Buffer+ Stereo
の3機種が発売中です。

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