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Api500 API500モジュール

API 500モジュール(VPRアライアンス)の電源フレームの選び方

VPRアライアンスの電源フレームを選定する上で最も重要なスペックに、『供給可能電流容量』という項目がありますが、呼称表記や、値の条件が各メーカーでバラバラで大変分かりにくく、ご質問も多く頂きます。正しく比較・検討ができるように解説してみたいと思います。

まず呼称表記ですが、『供給可能電流容量』『最大供給電流』を省略して、『電流容量』『電源容量』とだけ書いてあるかもしれません。英語表記だと『 ○○mA of power per slot』または『Total Current』などと書かれていると思います。 呼び方が混在していますが、「マウントしたVPRモジュールにどれだけ電源電流を供給できるか」という事を表しています。VPRモジュールが必要とする電源は、+48V と +16V と -16Vの3種類。+48Vはファンタム電源として使用されます。+16Vと-16Vは回路動作に必要な電源となります。モジュール側が求める電流を、フレーム側は確実に供給してあげる必要がありますが、フレームの電流供給能力が低いと誤動作やトラブルの原因につながります。電源レギュレーションの質ももちろん重要ですが、まずは確実に動作させるための指標となりますのでご購入の際は必ずご確認いただきたい項目です。 単位もまた混在していますが、これはどちらも正解なので気分的にそろえたいだけですが・・・。単位には電流の単位の「A(アンペア)」 または1000分の1の「mA(ミリアンペア)」が使用されます。1A = 1000mA ですから全く同じです。「タウリン1000mg配合」と「タウリン1g配合」では、桁が多いので1000mAの方が効きそうですが、全く同じです。

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そして、もう一つ重要なポイントは値の条件です。 その 1000mAが 【1】全スロットの合計で1000mA 供給可能 【2】一つのスロットに対して 1000mA 供給可能 【3】マウントしているのが1スロットだけならば1000mA 供給可能 これらは似ているようで、意味するところは全然違いますので、個別に整理してみます。 一般的なところでは、API500モジュール(VPRアライアンス)製品の動作電流は、数十mAから150mA位までの製品が多いです。もちろん300mA必要だとか例外もあるでしょう。動作電流が多い機種、少ない機種、様々ですが例として、 10スロットの電源フレームに、動作電流150mAのモジュールをマウントしたい場合の、電源フレームの電流供給容量の表記が違う3機種の能力を検証してみます。

【1】全スロットの合計で1000mA 供給可能 このパターンでは、合計で1000mA未満であればいいので 150mA × 6本 = 900mA 6本はOK 150mA × 7本 = 1050mA 7本だと1000mAを超えてしまうので使用できない

【2】一つのスロットに対して 1000mA 供給可能 このパターンでは、スロット数分の電源回路を備えていることになる。1000mAが1回路と1000mAが10回路では単純計算で10倍のコストがかかるので同じ価格帯であるはずはなく、非常に高価であることが想像できる。

1スロットあたり 1000mA未満ならOKなので 150mAのモジュールなら、10スロットすべてにマウントしても全く問題ない。 仮に、その電源フレームの供給能力を最大限に生かした場合は 1000mA × 10本 = 10000mA = 10A 【1】と同じ言い方をすれば、スロット全体の合計で10000mA = 10A も供給可能ということになる。実際のところ、強力すぎてあったら怖いかもしれない。

【3】マウントしているのが1スロットだけならば1000mA 供給可能 頭を悩ませるやつです。 1スロットだけなら 1000mAの供給が可能、では増えたらどうなるのか?詳しくは書かれていない場合がほとんどですが、こうです。 1スロットだけなら 1000mA供給可能は、 2スロットなら 500mAずつ× 2本 = 1000mA 3スロットなら 333mAずつ× 3本 = 1000mA 4スロットなら 250mAずつ× 4本 = 1000mA 5スロットなら 200mAずつ× 5本 = 1000mA 6スロットなら 166mAずつ× 6本 = 1000mA ※6本までマウントできる 7スロットなら 142mAずつ× 7本 = 1000mA ※7本以上は電流容量が足りない 8スロットなら 125mAずつ× 8本 = 1000mA 9スロットなら 111mAずつ× 9本 = 1000mA 10スロットなら 100mAずつ× 10本 = 1000mA 結果的に【1】の合計で1000mA供給可能と同等の性能になる。 つまりは、 全体の供給可能電流 ÷ 実装するスロット数 = 1モジュールあたりの供給可能電流 この計算で求めることができます。

また、実装できるスロット数が仕様によって異なります。2スロットの物、3スロット、6スロット、10スロットなど。全体で供給できる電流が500mAでも2スロットの電源フレームなら250mA × 2スロット で十分な容量だし、6スロットなら 83mA ×6スロットで不足する。6スロットのフレームで1000mAなら 166mA ×6でOKなど、スロット数の条件の違いにも注意が必要です。

API500モジュラー用電源ラック

 

電流容量と音質の関わり

VPRアライアンス500モジュールでは、電源フレームから供給された +16V/-16V をそのままオーディオ回路の電源として使っているのがほとんどですので、容量だけでなく、電源回路のクオリティーもとても重要です。その電源のクオリティーを推察する材料として『供給可能電流容量』を見てみるのもアリだと思います。 電源回路がもつ一般的な性質から考えると、電流容量が多いほど電源のインピーダンスが低く(低くないと多くの電流を安定して供給することができない)なります。電源のインピーダンスが低ければモジュールが必要な電流をスムースに供給しモジュールは常に安定した100%のパフォーマンスで動作できます。また、電源は各スロットに共通した部分なので、モジュールが大電流を流した時、電源電圧を安定に保っていられなければ電源を通じて他のモジュールにも悪い影響を与えてしまいます。電源フレームの電流容量がモジュールの動作電流の合計に比べて大きく余裕があれば、モジュールからの影響に動じないので他のモジュールに影響を与えない、インピーダンスが低い良質な電源であると判断しても良いと思います。ただし電流容量ばかり大きくても、ノイズ成分が多い、安定性が悪いといった事は十分に考えられますので【電流容量が大きい=良質な電源】は必ずしも成り立つものではないと言う事は書いておかなくてはなりません。

 

電源回路の方式

これも公表されているスペックから全てが推察できる訳ではありませんが、電源回路の方式もこだわる方には重要かと思います。大きく分類すると『リニアレギュレータ方式』と『スイッチングレギュレータ方式』の2種類。オーディオ回路にはリニアレギュレータが好まれます、スイッチングレギュレータも最近はずいぶんと進化し低雑音、ローインピーダンス、高安定な物も増えてきました。リニア式では電源トランスを使用していますので、大きさや重さでどちらの方式か予想はつきます。メーカーや輸入代理店に問い合わせれば教えてくれるはずですので気になる場合は聞いてみるのが早いです。

 

WesAudioのSupercarrier2とTitanについて

WesAudioのSupercarrier2とTitanは、音質を重視したハイエンド仕様のAPI500専用の電源ラックで、たいへん安定した性能を実現しています。。音質に大きく関わるAPI500モジュール専用の電源ラックに注目し、WesAudioならではの高品位設計を施した、信頼できるAPI500シリーズ専用の電源ラックです。

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今まで挙げてきたポイントをWesAudio Supercarrier2 /Titanに当てはめてみると、 Supercarrier2では、『供給可能電流容量』は、全スロット合計で2500mA = 2.5A 、11スロット仕様のフレームですので、1スロットあたりに換算すると約227mA × 11スロット、Titanでは全スロット合計で 2500mA = 2.5A 、10スロット仕様のフレームですので、1スロットあたりに換算すると 250mA × 10スロットとなり、平均的なVPRモジュールから見ればかなり余裕をもった電流供給能力となっています。 もちろんすべてのスロットで250mAもの電流が常時消費されているとは考えにくいので、どこかが多く消費するとしても、他のどこかが少なければ問題ありません。 電源方式は『リニアレギュレータ方式』です。少し特殊な構成で、電源トランスを外部の別ユニットとし、フレーム内部にはレギュレータ回路を搭載した2WAY構成になっています。先日BUZZでとり上げた、「電源を別ユニットにするメリット」という記事の中でも書いていますが、別筺体であることに大きなメリットがあります。振動や電磁波ノイズの源である電源トランスを別にする事で、フレーム内にノイズを持ち込まないのでモジュールに悪影響となる要素は排除している。しかも、レギュレータ回路は供給先となるスロットの近くであるフレーム内に持っていますので電源ラインのインピーダンスは低く保たれます。 WesAudioがSupercarrier2とTitanで採用した2WAY構成は、別筺体電源の利点と電源内蔵の利点を併せ持つ「理想的な方式」であることが分かります。

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WesAudio Supercarrier、Titan(API500モジュール用電源ラック・フレーム)の製品ページはこちら http://umbrella-company.jp/wesaudio.html

 

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